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2008-09-17 00:00
中国の世論戦、心理戦に敗れる台湾と日本
永山英樹
台湾研究フォーラム会長
「中国との宥和路線でアジアに平和を齎す」と内外に豪語する台湾の国民党政権だが、実際はそう甘くはないことを認めざるを得ないようだ。8月29日に台湾政府の国防部が国会へ送付した今年度の『中共軍事力報告書』を見ると、そのことが痛感される。中国が矛を収めて地域情勢を安定させるためには、やはり台湾や日本などの周辺諸国が中国の勢力下に入ることが前提になっているということを痛感させられる。要するに台湾側がどうあれ、中国には台湾を併呑するまで軍拡を停止する意志はないことが窺われる。
『報告書』によると、中国は台湾側の話し合いの姿勢をいいことに、「武力を以って台湾独立を阻止し、統一を促進する」の戦略に基づきながら、「話し合う、攻撃の準備をする」との原則を掲げている由である。話し合いにおいてできるだけ利益を獲得しながら、同時に台湾侵攻のための軍事力強化を積極的に推し進めているというわけだ。軍の近代化の最大目標は、依然として台湾攻略であり、「速戦速勝、首戦決勝」の戦略指導で有事にあたる方針だという。また一方的に台湾海峡の中間線西側で航路を敷き、南支那海で漁場を設定するなど、勢力範囲の拡張も企図している。
今年の中国の軍事費は572.29億ドルに達し、主にミサイル、衛星攻撃兵器、空母、キロ級潜水艦、ソブレメンヌイ級駆逐艦などの配備に注ぎ込まれている。ミサイルの配備はこれまで年間75基~100基のペースで増強してきたが、今では150基~200基になっている。威力も精度も向上している。「平時は独立を阻止し、長期的には統一を目指す」の考えで、武力を用いない「三戦」(世論戦、心理戦、法律戦)を課題にし、台湾に対する「島に入る・脳に入る・心に入る」の思想工作を行い、「和」を以って台湾内部の団結の意志を挫き、「戦」を以って圧力をかけ、「小戦大勝」や「戦わずして勝つ」の目標を達成しようとしているという。
以上を見れば、中国に対する一方的な宥和は、中国の「戦わずして勝つ」の策略に乗せられるだけであることが分かる。そして同じことは、やはり中国への宥和を国策としている日本についても言えるだろう。実際に日本は、台湾よりも早くから世論戦、心理戦を仕掛けられ、その結果、中国の思想宣伝は十分なまでに日本人の「脳に入り、心に入っている」。
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