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2008-09-11 00:00
東アジア統合の次なる段階は?
山澤逸平
一橋大学名誉教授
8月下旬、バリ島で開催された「東アジア・シンクタンク・ネットワーク(NEAT)」の会議に出席した後、ジャカルタ、シンガポールへ回り、ASEAN事務局のディレクターやASEANのエコノミストたちと懇談の機会を持った。表題はそのときの懇談の中心テーマである。ASEAN統合は進み、さらにASEAN+1タイプのFTAも中、韓、日(10月1日より発効)が揃い、さらに豪州、ニュージーランド、インドともFTAが今年中にも署名される。次の段階は、これらのFTAを吸収合併して、ASEAN+3ないしはASEAN+6のFTAを結成するという発想が出てくる。しかしこのように早急には進まないのではないか。
ASEANが「操縦席に座っている」なら、これが当然の順序と映る。しかしASEAN自体の経済共同体の完成期限は2015年だ。また、上記のASEAN+1タイプのFTAは、アーリー・ハーヴェスト方式で、ASEAN側の自由化義務はこれから果たしてゆくので、到底余力はない。かつASEAN自体はすでに+6の各々とFTAを結んでいるから、それらを吸収合併する誘因は強くない。むしろ+3の方で日中韓FTAを形成してASEANを吸収合併することが考えられる。ただし、そうなるとASEANは操縦者ではなく、従属者になるが。しかし、この方途が動く気配はない。日中韓ではFTAの前段階とも言うべき投資協定を交渉しているが、それだけですでに数年難航している。
第3の方途は何らかのモーメンタムが生じて、ASEAN+3ないしはASEAN+6のFTAが結ばれるものである。前者のEAFTAについては2006年にASEAN+3の首脳会議の指示で専門家案がまとめられたが、その後お蔵入りしたままである。10年ほどは次の段階へは進まないのでないか。
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