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2008-09-04 00:00
(連載)アメリカ民主主義の病(3)
山下英次
EUI・ロベール・シューマン高等研究所 客員フェロー
米国の宗教保守層は、ほとんど中世的な独特の宗教観を持っている。同じキリスト教徒でも、いまのヨーロッパではこうした人たちはほとんどいないのではないだろうか。米国は、一面では国際社会からみて非常に特異な価値観を備えた国なのである。米国が普遍的な国であるとする単純な見方には、私は大いに異議がある。すなわち、平たく言えば、2004年の大統領選挙で、ブッシュは宗教的なレトリックで低所得層を騙して自らに投票させ、再選を果たしたといっても過言ではないのである。宗教がらみの選挙戦は、そもそも合衆国憲法の精神に反するのではないだろうか。
どの成熟した民主主義国でも、自国の民主主義の現状に満足している国民は少ないであろう。私も日本の民主主義の現状には大きな不満がある。しかし、アメリカの現状は、それとは次元が異なるのだ。いまや成熟した民主主義国の中で、民主主義の実現している水準が最も低いのは米国ではないか、と私は理解している。
さて、2008年の大統領選挙はどうなるであろうか?私も、オバマ候補の当選に期待したいが、他方では、そのように本来あるべきまともなことが、今の米国で本当に起るだろうか、という不安を払しょくできない。地球温暖化政策を除いてブッシュとほとんど政策上の違いがないマケイン候補が当選したとしたら、国際社会は二度、三度、深い失望を味わうことになる。(おわり)
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