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2008-09-03 00:00
(連載)アメリカ民主主義の病(2)
山下英次
EUI・ロベール・シューマン高等研究所 客員フェロー
米国の民主主義が機能不全に陥っていることを例証するとすれば、枚挙にいとまがないが、過去2回の大統領選挙を振り返るだけでも十分である。2000年の大統領選挙では、ブッシュは、米国民の票によってではなく、血縁主義と縁故主義によって、大統領になってしまった。フロリダ州の票が問題となり、同州の裁定によって票の数え直しになったが、当時たまたまブッシュの実弟のジェブ・ブッシュが州知事でなかったら、別の判断になっていただろう。これを国際社会では、血縁主義(nepotism)という。 最終的には、最高裁での判断となったが、最高裁には、当時パパ・ブッシュの友人が何人かいた。つまり、これは、血縁主義と縁故主義(cronyism)の結合である。
2001年初め、大統領に就任するや、ブッシュは立て続けに3回にわたって減税を実施した。これらの減税は、米国のメディアも、「低所得層がようやく手にし、口に入れようとしている食物を横から取り上げて、富裕層に与えるようなもの」と表現したような代物であった。つまり、低所得層を犠牲にし、富裕層の利益になることを意図したものである。
こうした露骨な富裕層優遇策をとった大統領は、本来再選されはずはないのだが、2004年の大統領選挙でブッシュは再選されてしまった。今度は、本当に国民の票によって、であった。低所得層の相当部分が、愚かしくもブッシュに投票したからである。なぜか?当時大統領補佐官だったカール・ローヴを中心に、宗教保守層(evangelical Christians)を狙い撃ちした宗教がらみの選挙戦を巧みに展開したからである。(つづく)
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