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2008-09-02 00:00
(連載)アメリカ民主主義の病(1)
山下英次
EUI・ロベール・シューマン高等研究所 客員フェロー
ここヨーロッパにおけるオバマ米大統領候補に対する人気は非常に高く、遂に「ユーロバメイニア」(”Eurobamania”)という言葉が出現する事態となっている(8月27日付け『ファイナンシャル・タイムズ』)。仮に、ヨーロッパ人が投票したとしたら、オバマ候補が地滑り的な勝利を収めるのではないかと言われている。これは、すでに先月の本欄で指摘したように、米国の政策の度重なる失敗に対する欧州人の深い深い失望を反映したものである。実際、先月のベルリン演説で、オバマ候補は近年における米国の政策上の失敗を謝罪するとともに、今後はヨーロッパともに歩む旨約束した。まさに、欧州人が一番聞きたかった点に違いない。
アメリカの民主主義は、機能不全に陥っている。私は何も、アルグレイブやグアンタナモ収容所におけるジュネーブ条約違反行為の数々のことだけを言っているのではない。アメリカの大多数の国民にとって民主主義が健全に機能していないことを問題にしているのである。
現在、私は、EUの関連機関である欧州大学研究院(EUI)ロベール・シューマン高等研究所(RSCAS)の客員として、イタリアのフィレンツエに滞在している。EUIは、ドクター・コース中心の大学院大学であり、RSCASは欧州統合を学際的に研究する場である。欧州各国は無論のこと、米国を含め世界各地から研究者や学生が集まっている。6月、私は、RSCASのセミナー・シリーズで欧州とアジアの地域統合について講演する機会を得たが、その際、アメリカの民主主義が健全に機能していないということについても触れた。講演後、1時間以上にわたって質疑応答の時間があったが、米国の民主主義が機能不全に陥っている、とする私の指摘に対する、まともな反論は全くなかった。すなわち、いまや世界のインテリの多くが、米国の民主主義は機能不全に陥っていると感じているのである。(つづく)
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