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2008-08-09 00:00
(連載)権哲賢・駐日韓国大使に望むこと(1)
大江志伸
江戸川大学教授・読売新聞論説委員会特約嘱託
わが国の中国社会科の新学習指導要領解説書に竹島(韓国名:独島)問題に関する記述が明記されたことに抗議し、本国に一時帰国していた韓国の権哲賢駐日大使が、8月5日に帰任した。韓国の駐日大使が歴史認識問題などに絡んで抗議の一時帰国を行うケースはこれまでも何度かあったものの、不在期間が3週間にも及んだのは今回が初めて、と伝えられる。この間、韓国側では官民挙げて、反日機運が盛り上がった。ソウルの日本大使館への抗議デモ、マスコミによる猛烈な日本批判は、この手の日韓摩擦時のお決まりのパターンだが、今回は現職首相による初の竹島訪問、韓国軍の「独島防御訓練」など、韓国政府当局の過激なパフォーマンスが目立った。
李明博政権の過激な対応については、「支持率低迷を反転させる政権浮揚策だ」といった分析を、日本の各メディアが伝えている。加えて、今回痛感させられたのは、日韓関係改善を掲げ今春発足した李明博政権の対日外交の「品格」の問題である。それを象徴するのが権哲賢大使の言動だろう。李大使は一時帰国後の7月17日にソウルで行った記者会見で、「日本でやるべきことはなくなった。(日本には)戻りたくない」と辞任をほのめかす一方、6か国協議での日韓協力についても「国内で世論の悪化や、協力拒否の動きが強まれば、問題が出てくる」と、恫喝に近い発言を行っている。
李政権発足に伴い着任した権大使は、李大統領の側近で、筑波大学留学の経歴や韓日議員連盟幹事長を務めた日本通として、日韓関係改善の先導役を担うはずだった。外交に直接携わった経験はない点を考慮しても、「戻りたくない」発言はあまりに「品格」に欠けるのではないか。「特命全権大使:外交使節の最上級。外国に駐在し、自国元首の名誉と威厳とを代表し、本国政府の訓令に基づいて駐在国との外交および在住自国民の保護・監督に携わる」(広辞苑)。権大使は大学教授、国会議員の職歴を持つ。権大使の「戻りたくない」発言が大使の個人感情に基づくものなのか、大使の本分である「自国元首の名誉と尊厳とを代表」したものなのか気になるところだが、その表現はいかにも軽い。(つづく)
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