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2008-07-28 00:00
(連載)圧力に屈して外交は成り立たない(2)
茂田宏
元在イスラエル大使
第2に、外交には一貫性が必要である。韓国への対応と、中国、ロシアその他の国への対応には整合性を保つ必要がある。今度の学習指導要領解説書について言えば、ロシアも日本が北方領土を「ロシアの不法占拠下にある固有の領土」としていることについて、質問へ答える形をとって、概要次のような外務省声明を発出した。
「日本側のかかる行動は、2国間の協力の発展、国境問題それ自身の解決に資さない。こういう措置は、単にロシアと日本の立場を対立させ、雰囲気を悪くするだけで、今一度、領土画定の問題へのアプローチにおいて、双方に原則的な違いがあることを強調するものである。日本の政権は何度も、最高のレベルでも、両国間の国境問題の相互に受け入れ可能な解決を探すための良好な条件を作ることに賛意を表明してきた。しかし『国内的な利用』のために東京が、世論に最大限の要求をする立場を育成し、反対のアプローチを引き続き取っていることは明らかである。モスクワでは、過去から我々に来たこの複雑な問題の調整の探求は、われらの国民の信頼と相互理解の基盤のうえに行うことが不可欠であると信じている。重要なのは、社会に、何よりも若者に、隣国への対決的な態度や両国関係の複雑な問題に対する一方的なアプローチを押し付けないことである。そういうことは問題の調整の探求における共同の仕事を袋小路に追い込むことを可能にする」と。
韓国への対応の仕方は、北方領土問題にも影響を与えかねない状況が現にあることが、ここから明らかである。こういう領有権問題については、安易な処理はしないほうが良い。いま、こういう問題になることをするのが良かったのかどうかの問題はあるが、問題になった以上、日本として譲るわけにはいかないことである。韓国の李明博政権は、ノムヒョン政権に比較し、数段良い政権であり、良好な関係を作るよう努力するべきことはいうまでもない。しかし、この問題についての今後の対応としては、圧力をかけても、日本側が何らかの是正措置を講じる可能性は全くないと、韓国側に判らせることが必要である。それがこの問題を沈静化させる最良の方法である。韓国を宥めようとすることは、問題の継続、更なる関係の悪化につながる惧れがある。(おわり)
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