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2008-06-18 00:00
ジャン・モネの欧州統合論に学ぶ
近藤健彦
明星大学教授
この度、東アジア共同体評議会の有識者議員に加わった。そのこともあり、今後ときどき本欄に投稿させていただこうかと思っている。「東アジア共同体」論をめぐって、私に関心があるのは、ジャン・モネの欧州統合論と将来の東アジア通貨統合の可能性の2つである。プロボカティブに書いて、レベルの高い読者からのご批判を得たいと思う。
ジャン・モネは、いわずと知れた「欧州統合の父」である。欧州統合論者は、彼の前にも、同時代にもたくさんいた。しかし、彼が他の人と違うのは、彼が空論家ではなく、行動したし、実行に移したことである。彼は自分のアイディアを「シューマン・プラン」の名で発表し、関係国の会合を取り仕切り、「欧州石炭鉄鋼共同体」としてとりまとめ、さらにはルクセンブルグに置かれた新組織の初代総裁(委員長)にもなった
彼がいなかったら、おそらく欧州統合はできなかったのではないか?一種天才的な人だったと思う。でも、東アジア共同体をいう人の中で、ジャン・モネの回想録を読んだ人が何人おられるだろう?東アジア共同体を考える格好のテキストは(誤解のないように、彼のやったとおりにやれ、というのではない)、ジャン・モネである。今後も、このようなジャン・モネ論を、本欄で展開したいと思う。
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