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2008-05-15 00:00
(連載)胡錦濤訪日の「円満成功」を検証する(1)
大江志伸
江戸川大学教授・読売新聞論説委員会特約嘱託
胡錦濤中国国家主席は、5月6日から5日間に及んだ日本公式訪問について、離日直前に見学した奈良市内で、報道陣に対し「訪日は円満に成功した」と強調し、日中関係の今後の発展に自信を示した。中国の首脳外交の公式評価に「失敗」はありえず、「成功」、「成果」といった常套句による総括が常ではある。だが、中国元首として10年ぶりとなった訪日に対し、胡錦濤国家主席は正真正銘、「円満成功」との自己評価を下せたのではあるまいか。筆者の評価も「円満成功」に限りなく近い。ただ、胡錦濤訪日が日中関係史に確固とした「成果」として刻まれるためには、日中双方が「円満成功」を共有、実感できるようなフォローアップが何より重要となる。
「円満成功」の第一の理由は、日中両国が設定していた最低限のハードルをクリアできたことにある。崔天凱駐日中国大使は、5月4日付の中国共産党機関紙「人民日報」に発表した論文「日中戦略的互恵関係の新時代を切り開こう」の中で、胡錦濤訪日の目的として、「安定した相互信頼関係の確立」、「よりハイレベルの協力推進」、「(双方の)国民感情の改善」の3点を挙げていた。7日の首脳会談では、1972年の日中共同声明から4番目の共同文書、「戦略的互恵関係の包括的推進に関する日中共同声明」に合意、署名した。両首脳は声明で、毎年、首脳の相互訪問を実行することを確認した。これは3つのハードルのうち、「安定した相互信頼関係の確立」の核となるものだ。歴史問題を執拗に追及した江沢民時代や、靖国参拝を繰り返した小泉政権時代には戻さない、戻らないという、日中双方の決意表明でもある。(つづく)
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