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2008-05-01 00:00
APECを東アジア共同体構築に役立てよ
山澤逸平
一橋大学名誉教授
最近東アジア共同体が、国際会議やシンポジウムで議論され、新刊書のタイトルにも溢れている。アジア太平洋地域では、1990年代にはアジア太平洋経済協力会議(APEC)が地域協力の中心だった。地域協力の取り組みがAPECから東アジア共同体へ切り替わった。メディアのAPECについての関心は薄れ、若手の研究者はもうAPECについて知らない。しかしAPECは死んだわけではない。
毎年秋には米国・ロシアの大統領、中国の国家主席、日・豪、ASEANメンバー諸国の首相等が参加するAPEC首脳会議が開催され、指導的ビジネスマンからなる諮問委員会ABACメンバーとの懇談の機会も設けられている。参加国政府のAPEC担当者と民間専門家による実務協議が年間を通じてもたれ、地道な経済協力が継続してきた。
東アジア共同体といっても簡単にはできない。ASEAN+3が経済共同体を形成する基盤はあるが、克服すべき課題も多い。政治安全保障面ではメンバー間の対立が残り、政経分離では経済統合には限度がある。北米、大洋州等域外との関係調整も見通せない。APECは東アジア共同体構築の動きに欠けている要素を備えており、APECを捨てるのでなく、積極的に役立たせるべきである。
今後のAPECの主催国は2009年がシンガポール、2010年が日本、2011年が米国と決まっている。これら有力国の主導の下にAPECが東アジア共同体形成を補完する方向に進むことを期待している。
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