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2008-04-04 00:00
日本はサブプライム問題にどのように対処すべきか?
四条秀雄
不動産業
市場の利点を良く理解し、使いこなしてきたはずの米国が、サブプライム問題で動揺しています。一部には、基軸通貨ドルの揺らぎであるとか、大恐慌以来の危機であるとかと論じる識者もいますが、こうした金融危機の多くは自己実現的に成立しますので、世界がそう望めば(富者がキャッシュを望めば)そうなりますし、そう望まなければそうならないでしょう。小さな危機では、抜け駆けは個々の利益を生みますが、大きな危機では、合成の誤謬となって全てのものに損失をもたらすでしょう。
しばらくの間、「抜け駆け」による個々の利益と「合成の誤謬」の不安の間で綱引きがあり、ジレンマが続くものと思われます。日本は90年代のバブル崩壊で周回遅れとなったために、今回の危機では直接的被害は少なかったと言われています。しかし崩壊の結果生じた脆弱性から、日本は自国経済に関して確信を欠き、その結果、外国人投資家の動揺によって間接的に被害を受けてしまいました。このサブプライム危機に際して、日本はどのように対処したら良いのでしょうか?
マルクス主義の影響力が強い日本では、市場型経済の主要国である米国の動揺に乗じて、市場の欠陥を喧伝する風潮がありますが(戦前にも、大恐慌の米国を見て共産主義が思想的に隆盛となり、それが既存の政治体制温存と結びついて、国家社会主義に至りましたが)、現代日本のように資産規模が大きくなった経済では、市場の利用無しに様々な環境への適応は不可能に近い、と理解しないといけません。高度成長時代のように成長に伴って投資余力が生じ、大きくなりながら改善していく、という適応はできません。すでにあるものを組み直して環境に適応していくしか、資産大国には方法がないのです。そして、そのための方策は、市場を良く整備することに尽きます。
従って、世界がサブプライムで動揺している間に日本のなすべきことは、この危機を利用して周回遅れを挽回することです。市場を良く整備して、個人・家計が環境適応力をつけるようにすることです。不動産市場を整備し、企業が資産の組み直しをしやすいようにM&A市場を整備し、自治体が環境適応力をつけるよう分権化し、互いに情報を発し、交換・比較できるように法制度を整えることです。
米国から金融危機等の支援要請があった場合には、日本の金融危機時に強烈な円高があったようにドル高が生じるだろうから、為替介入をためらわずに米国債の買い増しでドルと米国債価格を安定化させることと、中古住宅を買って不動産市場を支え、米国民に安く賃貸するなどして長期運用するのが良い。
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