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2008-03-11 00:00
ディズニーランドから見た東アジア共同体
成田弘成
桜花学園大学教授
先日、香港のディズニーランド(DL)とマカオの世界遺産を訪問する機会があり、東アジア共同体に関連して所見を述べたい。
香港DLは、開園当初からそのマネジメントが話題になることが多く、本場アメリカとは違う意味で、私の関心を引く所であった。既に西欧化された日本の東京ディズニーランド(TDL)の成功は当然としても、アジア第二の拠点として、中国共産圏でのDLが成功するかどうかは、中国の今後を考える上でも参考になると考えたからである。結論から言えば、一国二制度の仮面外交は、たとえミッキーマウスの縫いぐるみを着て振る舞っても、決して本物にはなれない困難さを持っていると言える。
現在の香港DLは、平日でも人の絶えないTDLに比べて、その集客力は大変に低いと思われる。統計的なデータを入手していないので、正確な判断は出来ないが、低迷の理由については大凡の推測は可能である。まず規模が小さいこと、それに伴いテーマ館やアトラクションの数も少ないので、客は1回の訪園で満足し、二度と訪れることはないのだろう。つまり香港DLはリピーターの獲得に失敗しているのである。この理由については、単に規模の小ささだけではなく、西洋文化に対する本質的な理解の不足、つまり中国の安易なコピー文化の体質を指摘するだけで十分かもしれない。
しかし、私があえて香港DLを取り上げるのは、単に批判の為ではなく、むしろその存在に意義を感じるからである。国を越えて多くの人々が集う場所というのは貴重であり、そこで学びあえる機会も増えるからである。文化とは創造的な側面があり、必ずしも本物にこだわる必要はないのである。香港DLに新しい文化的価値を見いだせれば、人も訪れるようになるし、東アジア共同体にとって必要な「価値の共有化」にも一歩近づくことが出来るのではないかと考える。帰路において、TDLを訪れた香港の団体客と遭遇したが、彼らの満足した顔が印象強く残った。
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