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2008-03-03 00:00
李明博・韓国新大統領という「機会」
櫻田淳
東洋学園大学准教授
去る3月1日、李明博・韓国新大統領が、日本の植民地支配に抵抗した「三・一独立運動」記念式典で演説し、「韓国と日本は互いに実用主義の姿勢で未来志向的な関係を形成していかなければならない。…歴史の真実から顔を背けてはいけない。しかし、いつまでも過去に縛られて未来の関係まであきらめることはできない」と述べた。盧武鉉・韓国前大統領が昨年の「三・一独立運動」記念式典演説で、「日本は誤った歴史を美化したり、正当化したりしようと考えず、良心と国際社会で普遍性を認められている先例に従い、誠意を尽くすよう望む」と述べたことに照らし合わせれば、李における日韓関係改善への意志は、明らかであろう。実際、李は、先月の大統領就任式の折に福田康夫と会談し、日韓両国首脳の相互訪問の再開や日韓経済連携協定の協議再開で合意している。
李は、1996年に上梓した著書『強者は迂回しない:韓国ニューリーダーの自画像』(勁文社刊)の中で次のように述べている。「企業経営であれ国家経営であれ、経営の本質は同じものではないか?私はそう信じている」と。
「実利優先」を掲げた李の登場は、日本にとっては確かに一つの「機会」である。日本もまた、この李における「実利優先」路線が首尾良く進むように配慮する必要があろう。「反日か、親日か」という指標ではなく、「実利か、観念か」という指標であるならば、日韓関係の発展に寄与するのが「実利」を基盤におく姿勢であるのは、疑いを容れまい。環境などを主なテーマとした次世代産業の展開に際して、共通の「利益」を実現する機会を模索するのも、一考であろう。加えて、日本の方から、韓国国民の「民族感情」を刺激するような不用意な動きが出ないように気を配ることは、この「実利」を軸とした日韓関係を続けていく上でも大事なことである。「湖面の氷」は、緩み始めた時期が最も危険である。今は、韓国に対する細心な姿勢が要請される時節である。
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