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2008-01-19 00:00
日米同盟といえども、絶対的な存在ではなくなる?
鈴木馨祐
衆議院議員
韓国の大統領が変わり、アメリカ、台湾でも指導者が変わる。結果がどうあれ、日米同盟のあり方、北朝鮮問題、台湾問題と、日本の安全保障の根幹にかかわるような問題に必ずや直接の影響を与える、国際政治環境の変化が予想される。
韓国大統領の交代は、これまでの推移を見る限りでは、日韓関係や地域の安定に非常なプラスの影響を与えていくであろう。日本と韓国は少なくとも現在においては、この地域で非常に近い価値観を共有するパートナーとなりうる、数少ない二カ国であり、経済的な発展度合いについても近い。今後この二カ国の関係が基本的には安定的に推移していくことは、東アジア地域にとって政治、経済的に非常に重要だろう。
一方の台湾問題については、今後の推移を注意深く見ていく必要がある。もちろん急激な変化というものはないと思われるが、台湾海峡はわが国のライフ・ラインであり、そこをはさんでバランスしてきた中台関係が、その経済的相互依存度の高まり、軍事的バランスの変化と相まって、どのように変化していくのか、慎重に分析していく必要があろう。もちろん台湾において最も注目すべきは総統選挙であるが、今回の立法委員選挙において国民党が圧勝したことがどのような影響をもたらすのかは、現時点では判然としない。日本としては、現在の陳水扁政権の状況とは違う変化が必ず起こる以上、リスクの分析を急がなくてはならない。
李登輝政権時代と陳政権時代とでは、その対日スタンスに違いがあったとはいえ、アメリカとの関係があまり良好でなかったこともあり、陳政権下の台湾にとっての日本の戦略上の重要性は増していた。ここ数年間、韓国、台湾の両国の対米関係は決して良好ではなかった。その状況はほぼ確実に変化するだろう。そして、アメリカ自体が次期政権において、アジア戦略に関してどのような方針で進んでいくのか、どこまでコミットするのか、明確でないのが現状である。
冷戦が終結し、中国の経済力が増し、民主国家である韓国、台湾が経済的にもある程度の力をつけている現状にあっては、日米関係は絶対的なものではなく、東アジア地域の国際情勢の従属変数という、相対的な要素に徐々に変化しつつある。もちろん中国が引き続き共産党の一党独裁国家であり、安全保障上、経済上アメリカを脅かすという状況が続いている以上、日米同盟の価値がアメリカにとって劇的に不要のものとなる可能性は、まだまだ少ないとはいえ、日米同盟といえども絶対的なものではないとの意識を持って、現在の東アジア地域の地政学的要素のリスク分析をし、的確に行動する判断力が、これからの日本にとっては死活的に重要となるのではないだろうか。
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