ホーム
新規
投稿
検索
検索
お問合わせ
本文を修正後、投稿パスワードを入力し、「確認画面を表示する」ボタンをクリックして下さい。
2008-01-17 00:00
(連載)台湾の立法院委員選挙と両岸関係(3)
舛島貞
大学准教授
選挙の結果を受けて陳水扁は民進党の党首を辞職すると宣言した。それによって、謝長廷が前面に出て選挙戦を戦うという認識もあるが、果たして民進党の統選本部がどのような陣容によって固められるのか、陳水扁に対する反対票が民進党全体に降りかかりはしないか、予測はつかない。国民党は、馬英九の「機密費」流用問題も無罪となり、基本的に問題はなくなっている。次の総統選挙で民進党が勝つとすれば、既に述べたような台湾市民のバランス感覚が強く発揮されるときか、統独問題が争点となったとき、あるいは馬英九自身に何かしらのスキャンダルがうまれたときだろう。
それだけに中国が、今回の立法院選挙の結果を過信して攻勢に出すぎたりすることは、きわめて大きな問題となろう。そうした意味でも、今回の選挙結果を直ちに統独問題に結び付けようとすることは、ミスリーディングであるとともに、今後の台湾の政治情勢にも大きな影響を与えかねない。今回の選挙結果は、国民党の統一政策にイエスと言い、民進党の独立政策にノーといったものでは「ない」のである。
このほか、今回の選挙の結果として言えることは、二大政党制の深化であろう。親民党が一議席を得たとはいえ、台湾団結聯盟は議席を得ていない。台湾市民も、聞いたことがないような多くの政党が登録したものの、また無党派が数議席を得たにしても、国民党と民進党の二大政党制が定着化しつつあることが示されるとともに、李登輝や宋楚瑜といった1990年代末から世紀転換期の台湾政治を主導した人物がもはや求心力を失っている、ことを印象付けた。(おわり)
投稿パスワード
本人確認のため投稿時のパスワードを入力して下さい。
パスワードをお忘れの方は
こちら
からお問い合わせください
確認画面を表示する
記事一覧へ戻る
東アジア共同体評議会