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2008-01-16 00:00
(連載)台湾の立法院委員選挙と両岸関係(2)
舛島貞
大学准教授
台湾における今回の選挙の焦点は、いわゆる「統独問題」ではなく、生活であり、経済であった。そうした意味で、民進党は有効な政策を打ち出せなかった。これは地方派系の問題とも関わる。2004年の総統選挙で、民進党が雲林県の国民党系の地方派系を切り崩したことなどが話題となったが、今回は国民党に逆に奪い返されたかたちとなっている。この点で、統独問題が焦点になっていないというのに、今回の国民党の勝利を直ちに統独問題と結びつけるのは、たとえ経済面での中台緊密化があるにしても、誤解、ミスリーディングの部分が大きい。このように今回の選挙結果には、多くの構造的な結果としての必然と、ある意味で陳政権そのものに対する評価という面を基礎として、そこに反陳水扁票が加わったということになるであろう。
今回の選挙の結果をうけて、さまざまな憶測や解釈がメディア等を通じて流布され始めている。結論として言えるのは、今回選出された立法委員の任期が4年であることから、この3月に選出される総統の任期の間は(総統の任期も4年)、立法院は国民党が圧倒的に強い状況にあるということである。それだけに、3月の総統選挙について、「バランス」を求めて総統選挙は、(すべての「悪」は陳水扁に被せて)謝長廷に投票しようという向きと、この勢いに乗じてやはり国民党の馬英九に一票を投じて、この8年間の「ねじれ」を克服した安定政権を求めようとする向きもある。
だが、前者の問題点は、相変わらず「ねじれ」が続き、政権運営がきわめて難しいことにあり、後者の問題点は、あまりに国民党政権が強くなりすぎ、次期総統の任期が北京オリンピックや上海万博に重なるために、統一へと舵を取るのではないかという点にある。この点がどうなるか、まだ明らかではない。だが、現状において、国民党候補が圧倒的に有利な状況にあることに変わりはない。比例代表でさえ、10対7であったのだ。前回のような僅差でもなければ、前々回のように国民党系(藍営、藍軍)が分裂せんとしているわけでもないのである。(つづく)
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