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2008-01-15 00:00
(連載)中国、韓国、インドの環境産業と日本の役割(6)
廣野良吉
成蹊大学名誉教授
OECD諸国における大手多国籍企業の大半が、今後も温室効果ガスを削減するとともに、炭素排出権取引市場を円滑に導入・拡大するため、政府をはじめ、あらゆる関係諸団体と協力していくことに疑いはない。これは大変心強いことである。 また、廃棄物管理の環境産業市場は、今後途上国において急速に成長することが予想される。途上国では、1990年代初期において既に年間1億トンを超える有害廃棄物が産出されていたが(先進国では3億トン)、この数字は今後10年で毎年10%ずつ増加すると予想されている。環境高基準への企業活動の調和や、国際的規制、企業責任に関する法的整備、市民社会活動など、これら全てが廃棄物処理対策をさらに拡充する要因となる可能性が高い。1970-2000年の30年間で製紙のリサイクル率が40%に達したように、廃棄物や廃熱の再利用や取引を通じて、製品のライフ・サイクルの効率を上げることは極めて重要である。
アジア地域でも、21世紀の優良企業は、原材料をリサイクルし、価値連鎖や製品のライフ・サイクルを通じて産出価値を生み出すような生産工程やビジネス・モデルに着眼していくだろう。 約26,000の地球上の植物種、 および1,100種以上の哺乳動物、 1,200種の鳥類、 700種の淡水生物などが絶滅の危機にさらされている現在、生態系の財・サービスを「無償」の共有財としてではなく、環境保全のインセンティブを提供する市場価値をもった財産(例:CO2排出クレジットや飲料水の価格設定スキーム)として取り扱うことがますます注目を集めている。環境への悪影響を低減し、環境を保護・再生するサービスを革新し、また生態系損失に係る費用や負荷を削減できるような企業が、競争力を獲得していくことに疑いはない。(おわり)
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