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2007-12-13 00:00
連載投稿(1)マレーシアの市民意識における民主主義
首藤もと子
筑波大学教授
12月6日付のマレーシアの有力紙が、その一面トップ記事で「74%」と「69%」と、最大級の見出しを付けていた。続きを見ると、それぞれ「74%のマレーシア人が同国の選挙は自由で公正であると考えている」、「69%のマレーシア人が政府は国民の代表としてよくやっていると思う」という意識調査結果の速報であった。これは市場情報コンサルタント会社TNSと市場・世論調査会社ギャロップ社が今年6~8月にかけて、アジアの57ヵ国で計6万人強を対象に行った「アジアの民主主義」に関する意識調査の結果であり、マレーシアでは1,250人が回答したとのことである。
この調査によると、「あなたの国で、選挙は自由で公正に実施されていると思うか」という質問に、「はい」と回答した率は、マレーシアがトップで74%、続いてシンガポール(68)、インドネシア(58)、インド・韓国(55)、香港(51)、日本(50)、世界平均(47)、フィリピン(22)、パキスタン(16)という順(カッコ内はパーセント)になっている。また、「民主主義は、問題があるにせよ、最善の統治制度だと思うか」という質問に対して、「はい」と回答したのは、インドネシア(89)、ベトナム(86)、マレーシア(85)、日本(84)、世界平均(79)、シンガポール(78)、インド(77)、香港(75)、韓国(74)、パキスタン・フィリピン(72)となっている。
「民主主義に対するマレーシア国民の信頼度はアジア地域で最高水準である」と、同紙は強調していた。こうした意識調査の結果に異論がある場合、その方法論や恣意性が批判されるのが常である。この調査も、欧州の独立調査機関がアジアの都市部で行ったものであり、方法論の詳細は同紙の記事からはわからない。ただ、方法論の問題は別にして、このマレーシアの高い数値は、都市部マレーシア市民の意識をかなり正確に反映しているように思われる。(つづく)
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