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2007-12-13 00:00
連載投稿(6)TICADIVおよびG8に求められる施策
廣野良吉
成蹊大学名誉教授
前回の投稿(本欄12月11日付投稿456号)では、途上国の環境問題につき、途上国政府および国際社会に求められる施策を提言したが、今回は第4回アフリカ開発会議(TICADIV)および主要先進国首脳会議(G8)に求められる施策を提言したい。
TICADIVについては、まず、アフリカ諸国における政府・政府機関と市民社会組織の制度的・資金的・技術的能力の強化のための支援を格段に拡充することが急務である。また、アフリカ諸国の一次産品・原料輸出については、その加工度を引き上げ、付加価値の増大と技術移転、雇用の拡大のための支援を強化すること、環境資源の活用においては、革新的・適正技術の開発とシステム確立への支援を強化すること、種子・農畜産物生産における遺伝子加工技術対策では、内外の消費者の健康保全を最優先課題とし、そのための食品衛生基準の設定ないし見直し、その人材の育成や制度的構築に寄与する支援を拡充することが必要である。さらに、生態系システムの復元(再植林、クリーン開発メカニズム等)によって温室効果ガスの削減に最大限の努力を払うと共に、貧困層・脆弱層の適応能力強化のための資金メカニズムの拡充を図ることも必要である。これらに加えて、アフリカ諸国はもちろんのこと、世界のすべての先進国、すべての国際機関がTICADプロセスへ参加するよう働きかけることも重要である。
主要先進国首脳会議(G8)については、まず、TICADIVへの政策提言を採択し、実効ある国内・国際対策をすべての国々が速やかに講ずるように決議すべきである。また、G8諸国とすべての先進諸国が京都議定書で策定された第1次約束期間(2008-2012)内に温室効果ガス削減義務目標を達成するよう再確認すべきであり、これについては、削減義務国すべてに、当該国に受け入れられる範囲内で、Cap and Trade策の導入を決議することも一案である。
また、京都議定書未批准の米国による議定書の早期批准と削減義務の完全履行を促すと共に、カナダ、日本のように削減義務の完全履行が国内措置だけでは困難と考えられている国々が京都議定書の市場メカニズムに基づいた削減が達成できるよう、公平性、透明性等従来の諸原則に基づいた何らかの追加的国際的措置を導入することも一案であり、具体的な例示としては、CDMによるCER認証条件の緩和がある。さらに、本年6月のハイリゲンダムG8首脳会議、本年10月の地球変動に関する国連主催首脳会議やその直後の米国召集の地球温暖化関係国会議で決議されたように、京都議定書第一次約束期間後(2012年以降)において、2050年には地球全体の温室効果ガス排出量の対2000年比最低半減を目標とした、すべての国々が参画する気候変動削減・適応に関する国際的メカニズムを2009年末までに確立すべきであり、これに加えて、英国等が自らに課しているように、2050年までに60%以上の削減を実現できた国々には何らかの国際的インセンテイブを付与することも検討に値するものである。(おわり)
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