ホーム
新規
投稿
検索
検索
お問合わせ
本文を修正後、投稿パスワードを入力し、「確認画面を表示する」ボタンをクリックして下さい。
2007-12-10 00:00
連載投稿(2)過少評価されている日本経済の実力
河東哲夫
Japan-World Trends代表
円が低いために、日本の経済力は過小評価されている。外国人にとって日本は、今や最も滞在費の安い先進国の一つとなっただろう。かぜ円が低いかといえば、不況時代の低金利を引きずっているからだ。なぜ上げないのかと言えば、今上げればドルの暴落を誘発しかねないからだ。外国投資家がジャパン・パッシングするから株価が伸びないなどと嘆いているが、日本に投資しても儲かりにくい構造を自分たちで作っておいて、そして自分たちでは日本株にろくに投資もしないでおいて、外国投資家にこれを買わせようとするのは、虫の良すぎる話ではないか。
他方、中国はバブルでインフレだから、元は本来下がってもいいのだが、輸出が伸びているので上がっている。だが中国の経済成長を支えてきた建設と輸出には当然絶対量の天井があるだろう。これからは消費と生産投資を増やさないと、成長は止まる。モスクワやロンドンは、ホテル一泊が600ドルという異常な世界になっているが、これはオイル・マネーの流入でインフレと自国通貨レートの上昇が同時に起こる奇妙な現象に見舞われているせいだろう。
オイル・マネーが為替レートや世界的な価格体系をすっかり歪めてしまったが、油価上昇は製品価格の上昇に転嫁され、世界の価格体系は再調整されるだろう。産油国への過度の所得移転も減少する。この数年、日本は異常に増殖した金融資本に翻弄されてきたが、オイル・マネーがしぼめば金融資本もおとなしくなって、製造業を持っているメリットがまた発揮される時がやってくる・・・かもしれない。(おわり)
投稿パスワード
本人確認のため投稿時のパスワードを入力して下さい。
パスワードをお忘れの方は
こちら
からお問い合わせください
確認画面を表示する
記事一覧へ戻る
東アジア共同体評議会