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2007-10-22 00:00
連載投稿(2)古武道から日本のアイデンティティを再発見せよ
宮脇磊介
国際武道大学理事、初代内閣広報官
日本の武道界では、日本の伝統文化である武道の目的を心技体の一体的な修練を通して人格形成をはかることとしている。だが、柔道と剣道はスポーツ化し、古武道諸流派は形の継承にとどまっている。生死を別ける場での必殺・必活の新たな技の開発と武芸の精髄の究明への執念と修行を欠いている現状は、日本伝統文化である武芸の衰退堕落ではないか。
古くは柳生宗矩や宮本武蔵、近年では武田惣角や植芝盛平などが、それぞれの武芸を通じて求めていた究極のものが、武に関する日本文化の精髄なのであろう。それらの人びとが共通して説いたものは何か。心身の働きを、宇宙を支配している理法・宇宙のリズムに適ったものとすることであった。そして、このことはおそらく、武芸のように死生観と直結したものではなくとも、茶道や能楽その他すべての日本の伝統文化が求める究極のものにも通じるのではないだろうか。
また、こんにち古武道と扱われるものや、勝敗が無いという意味でスポーツ化していない合気道では、技が比較的自由である。小宇宙である人間の経穴(つぼ)や無意識の反射反応を自在に操る技が開発伝習されている。そのほとんどは、現在の西洋科学では解明のつかないものである。
日本の武道が国際化するなかで日本国民自身に求められているものは、日本古来の武芸にあらためて光を当て、それが求めていた本来の修行の道を拓くことであろう。そして、そこで得られた高度の精神状態と自由で幻妙なる所作をもって、スポーツ化した国際武道の上を行ってもらいたいのである。武道に関する関心が高まる機会に、多くの日本国民が何らかのかたちで日本古来の武芸になじむことが、日本のアイデンティティを見出し、海外への発信力を高めるパワーとなるに違いない。(おわり)
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