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2007-10-16 00:00
連載投稿(10)日本のNGO/NPO、企業、大学等の果たすべき役割
廣野良吉
成蹊大学名誉教授
前回投稿(10月12日付け投稿本欄412号)に引き続き、わが国が低炭素社会の構築にむけ果たしうる役割に関して、以下のことを提言したい。まず、わが国のNGO/NPOは、東アジア地域における低炭素社会の実現に関する国内的、国際的仕組みの構築について積極的に提言したり、この地域の他のNGO/NPOとのネットワークを強化して、そのための協働活動に従事したり、政府・機関、地方自治体が召集する国内外の会議・ワークショップへ積極的に参加して、途上国における低炭素社会の実現に指導力を発揮することを期待したい。
つづいて、企業は、その事業活動や大学・研究機関との連携活動によって、低炭素生産・流通技術や生産工程の開発に努め、さらに低炭素原料・製品の生産・販売を通じて、途上国における低炭素社会の実現に努めるこことが望まれる。さらに、途上国に進出した子会社の企業内訓練活動を通じて従業員、納入業者の環境意識の向上を図り、その社会貢献活動を強化して、NGO/NPO活動を支援し、諸外国の関係諸団体との連携協力を通じて、国際的・地域的規模での低炭素社会の実現に努めることが望ましい。さらに、東アジア地域の企業に投資する「社会的責任投資ファンド」を設立して、この地域の低炭素社会への移行を促進することも望ましい。企業のかかる活動を側面から支援するために、金融上、税制上、行政上の優遇措置を講ずることも一考に値する。
さらに、10数年前からわが国の大学・大学院および研究機関は、文部科学省の拠点大学連携構想の下で、東アジア地域の大学・研究機関との学生・教員交流、留学生の受け入れ、研究者による共同研究を二国間で実施してきたが、今後はこの構想を低炭素社会の構築という教育研究活動に限定した新しい多国間ネットワークの構築に拡充することが望ましい。既に環境省主導で、アジア太平洋地域における環境人材育成ネットワーク構想の検討が始まっているが、これにこの地域における低炭素社会の構築のための人材育成計画を抱き合わせることも一考に値する。
以上の提言を実効あるものにするためには、東アジア地域における低炭素社会実現構想を強力に推進するわが国の国内実施体制の整備が急務である。そのためには、有効な情報基盤の整備、人的基盤の整備、資金・財源の確保と効果的利用が不可欠である。さらに、「国連・持続居可能な開発のための教育の10年」に関係したRCEの短期間における国際的広がりやネットワークの構築(36のRCE設置)に見るように、国際機関に有能な人材を派遣して、途上国での低炭素社会の構築を促進する受け皿を国際機関に整備することが不可欠である。特に、わが国としては、国際機関がもつ有効情報の多様性と包括性、国際機関と途上国の多様な連携の重要性や、途上国が国際機関に対してもつ中立性、専門性、信頼性、国際機関の資金調達力、調達資金の機動的活用等は大いに活用すべきである。(おわり)
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