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2007-10-02 00:00
連載投稿(1)地球温暖化に対する国際社会の取り組み
廣野良吉
成蹊大学名誉教授
今年のドイツ・ハイリゲンダムG8首脳会合で、わが国安倍前総理の提唱の「美しい星50」に基づく提案が採択され、その具体化のための国際的枠組みの構築に向けた模索が世界各地で始まった。今年9月24日には、ニューヨークの国連本部で地球温暖化問題に集中した国連ハイレベル会合が開催され、70人以上の首脳を含めた約160カ国の代表が集まった。国内での政権交代問題もあり、当初予定されていた総理の出席は不可能となり、森喜朗元首相が参加した。さらに、9月28日、29日には米国主導で中国、インド、ブラジル等途上国を含む主要排出国18カ国が参加して、地球温暖化防止のための国際会議が開催された。この会合には、高村外務大臣が参加した。
今後の予定としては、12月に国連気候変動枠組み条約締結国会合(COP13)が、インドネシアのバリ島で開催され、京都議定書第一約束期間(2008-12)後の新しい国際的枠組み導入に向けた本格的な国際交渉が始まり、来年7月のG8洞爺湖サミットは、その推進役を期待されている。なお、この前後にはEU首脳会議、主要排出国首脳会議の開催予定があり、地球温暖化防止のための国際交渉は12月のポーランドでのCOP14へと引き継がれ、2009年には国際交渉の決着が期待されている。
地球温暖化に対するこうした国際社会の取り組みについては、これまでに以下のような合意事項がある。
第一に、新しいビジョンの共有。具体的には、世界全体で2050年までには温室効果ガス(GHG)排出量を半減することである。ただし、この比較年次を1990年とするEU諸国と、2000年とする米国、年次を示さない日本との間には、大きな違いがある。第二に、共有する原則。GHG排出量削減目標を達成するためには、2012年以後においても、途上国は国連気候変動枠組み条約(UNFCCC)での合意(ベルリン・マンデート)に従い、先進国等とは「共通だが差異ある責任」を持つという条件で国際交渉へ参加することとなっている。第三に、国連主導での交渉。第四に、2009年末までに国際交渉を終結。第五に、京都議定書で合意されたGHG排出量義務的削減の第一約束期間内での徹底。第六に、低開発諸国と小さな島嶼国の被害を軽減するための「適応」支援の拡大。第七に、省エネ技術を含めた地球温暖化防止技術の開発努力の強化と先進諸国から途上国への移転。第八に、CDMの改善を含めた市場の活用による資金調達の新手法の確立。そして第九に、先進国と途上国間だけでなく、途上国間でもお互いに異なった道筋(ロードマップ)を構築すること。 (つづく)
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