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2025-03-22 00:00
「親世代は早紀江さん1人」のもう一つの危険性
荒木 和博
特定失踪者問題調査会代表
たびたび書いたり発言していますが、「拉致被害者で残された親世代は横田早紀江さん1人になった」という言い方、特定失踪者家族を無視した表現であり、ぜひ慎んでいただきたいと思います。政府認定拉致被害者は全体の拉致被害者からすれば氷山の一角であり、それ以外のご家族からすれば親世代でなくても見捨てられたという思いになります。
先日政府の拉致問題対策本部がワシントンポストに拉致問題に関する意見広告を出しました。それは良いのですが、小見出しには「Only one parent generation left」になっています。もちろん本文には「of the 12 abductees who are identified by the Government of Japan and still have not returned to Japan」ということで政府認定かつ帰国していない拉致被害者の中でという限定は付いているものの、見出しを見てそこまで考える人はあまりいないと思います。
NHKだけでなく他のメディアも度々そのような表現を使っています。ぜひこれについては留意いただきたいと考える次第です。そして、この「親世代は1人しか残っていない」という言い方はさらに大きな危険を秘めた表現なのです。というのはこの言葉の裏には「その1人がいなくなれば拉致問題は終わりになる」ということが背中合わせに存在するからです。横田滋さんや有本さんご夫妻が健在のときも、「いなくなれば拉致問題は終わる」と思っていた人間が何人もいました。平壌はもちろん永田町や霞ヶ関にも。彼らからすればそれが秒読みになったと思っているのではないでしょうか。
もちろん、自分としても早紀江さんには一日でもお元気でいていただき、めぐみさんとの再会を果たしていただきたいと思います。しかし一方で、拉致問題は親世代がどうこうということではありません。ご家族が全部いなくなってもなくなるわけではなく、国民の受けた被害なのですから国民が最後までやり通さなければなりません。そうしないと、ご家族のいない人は誰も助けないことになってしまいます。日本国内で様々な意見はあります。しかし、国内の矛盾がいくらあろうと、拉致をしたのは金王朝の北朝鮮当局です。悪いのはともかく北朝鮮であって、その責任は変わるものではありません。この問題を被害者やその家族だけの問題として終息させてしまうことのないようにするためにも「1人だけ」という言葉は使い方に留意をしていただきたいと思う次第です。
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