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2024-09-27 00:00
日本を取り巻く国際情勢について
真田 幸光
大学教員
国際金融社会が注目する米国金利に関して、米国・連邦準備制度理事会(FRB)は9月18日、金融政策を決める連邦公開市場委員会(FOMC)を開催し、政策金利を通常の倍にあたる0.5%引き下げることを決めた。インフレの継続的な鈍化や雇用の減速基調を受け、4年半ぶりの利下げに踏み切った。世界的なインフレが一旦収まった、そして米国景気の回復を推進したいとの判断によるものと見られている。
日米金利差が縮まることにより、キャリートレード解消が更に進み、その結果、円高に向かうのか、また日米の株価、特に今後、政策金利引き上げを検討していると見られている日本の株価が高値を維持するのか否かが注目される。更に、イスラエルに対するイスラム勢力の動きも不穏となっており、これを背景にして、原油市場に投機の資金が入り、原油価格が再び上昇するといった事態となれば、世界的なインフレ懸念再燃のリスクも付きまとう。今後の動向をフォローしたい。
尚、国際金融市場では、「ドナルド・トランプ前大統領が米国大統領に再選されれば、4年前までの初任期の時と同様に、連邦準備制度(FED)に更に金利引き下げを要求するだろう。これに対して、FEDは独立性を主張し、抵抗することは間違いないであろう。従って、通貨政策を巡る混乱が避けられなくなる危険性は高い。」との見方が強まる中、結果的には、「米国景気は金融緩和に伴う景気回復を目指す一方、米ドルは円との金利差に伴うキャリートレードの解消に向かい、場合によっては、一気に米ドル安・円高に向かう。」との見方も一部で出てきている。
米国、英国、豪州の三カ国は18日、3カ国の安全保障の枠組み「AUKUS(オーカス)」に於ける防衛技術分野の協力でカナダ、 日本、ニュージーランドと協議していると発表している。オーカスの防衛技術協力ではオーストラリアに原子力潜水艦を配備することが計画されている。また、中国本土の海軍力増強に対する懸念が高まる中、インド太平洋地域での抑止力を高める為、先端兵器の開発でも協力している。尚、米英豪の首脳らは、原子力潜水艦の計画を含まない、所謂、 AUKASオーカスの「第2の柱に新たなパートナー国」を選定していくことは、国際社会の安定に貢献出来る動きであるとしている。
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