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2024-06-05 00:00
最近の東アジア情勢について
真田 幸光
大学教員
国際機関である「国際通貨基金IMF」は、「国際貿易のデカップリング(decoupling)が深刻になると、世界の国内総生産(GDP)で日本とドイツを合わせたくらいのGDPが消滅してしまうほどの水準の大きな損失が発生する可能性がある。」との見方を示唆し始めている。即ち、少し前とはなるが、IMFの「ナンバー2」であるゴピナス首席副総裁は、WEEKLY BIZと画像インタビューの中で、「過去より各国経済がより密接に繋がっている状態であるから、若干の分裂でもずっと大きな衝撃を受ける。」とし、「米中貿易戦争を中心軸にして拡大している、最近の国際貿易秩序の変化は20世紀に終わったとされた冷戦という単語を再び思い起こさせている。
覇権争いを繰り広げる米国と中国本土が真っ向から衝突している貿易戦争が、過去、自由主義陣営と共産陣営が極端に対立した冷戦時と似ている。」といった認識を示したのである。世界の大国には、自国の利益だけを前面に出さず、世界の大国としての役割を意識した議論を願いたい。
東アジアでは、4年半ぶりに、「日中韓疑似首脳会談(中国本土は李強首相の傘下で最高位の習近平国家主席は戦略的に出席をしていない為、疑似首脳会談である。中国本土が真に重要な会議と認識している際には国家主席は出席をしてくる。また会議の内容によっては、国家主席がその合意内容を否定する危険性もあり、そうしたリスクも日本としては認識しておくべきである。従って、今回は、例えば習近平国家主席が欠席であれば、日本も他の理由をつけて、副首相を出席させるとしても良かったのではないかと筆者は考えている。中国本土にやりたいようにダブルスタンダードを取り続けさせてはならない。)」が韓国の首都・ソウルで、韓国の強い意向に基づいて開催された。そして、日本の岸田首相も出席した今回の日中韓首脳会談(サミット?)は5月27日、共同宣言を採択して閉幕をしている。
新型コロナの影響もあったとは言え、前回開催から約4年半の時間を要した点が、日中韓3カ国の協調の難しさとなっている。これには、米露が、日中韓を連携させると一大勢力となることを意識し、日中韓の間にある様々な問題を示しつつ、意識的に連携させないように動いている結果と言う側面も日本としては認識しておくべきであろう。そして、共同声明では、日中韓3カ国は経済協力を中心に結束を確認してはいるものの、台湾問題や東シナ海、南シナ海、米中覇権争いに関する立ち位置では、各国の思惑が異なり、必ずしも、「日中韓が一枚岩になってきている。」といった評価は出来ない。こうしたことから、「定期開催を続けられるかどうかは見通せない。」という見方も出てきている。
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