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2024-05-07 00:00
東南アジアから見た日本について
真田 幸光
大学教員
私は東京銀行に於いて国際業務をビジネスとして本格的に開始した1984と比較すると、「東南アジアの日本に対する尊敬の念と期待は低下しているのではないか。」と懸念しています。日本自身の経済力低下と、アジア地域での中国本土や韓国の台頭などに押されて、日本の存在感が低下したことは否めません。また、「日本の外交姿勢はあまりにも米国を重視過ぎではないか」といった厳しい声も聞かれ、「相対的には日本に対する東南アジアの尊敬の念と期待は低下している。」と感じています。
こうした中、東南アジアの研究者や官僚らに国際情勢について聞いた調査の結果が先月4月2日に発表され、その結果を見ると、「日本は6年連続で、地域に関わる主要国の中で、最も信頼出来る国である」との評価を得ていることを知りました。当該調査は、日本の期間ではなく、シンガポール政府系研究機関である「ISEASユソフ・イシャク研究所」が実施したものであり、日本を贔屓したものではないと見てよいと思います。
2019年からこの調査は開始されており、今年で6回目となりますが、この間、ずっと日本がトップと言うことになりました。調査は、東南アジア諸国連合(アセアン)に加盟する10カ国の計1,994人にアンケートした結果として示されています。調査結果を纏めた報告書によると、「中国本土、米国、日本、欧州連合(EU)、インドの中で、最も信頼出来るとされたのは日本で、全体の58.9%(これは昨年対比4.4%増)の支持を得た。日本に次いで米国、EU、中国本土、インドの順で信頼出来るとされた。日本を信頼する理由は、国際法を尊重し、支持している(36.5%)が首位で、経済的資源と政治的意志を持ち、グローバルなリーダーシップを発揮している(27.7%)などとなっている。」と説明されています。
また、フィリピン、ベトナム、タイ、カンボジアでは特に、日本を信頼出来るとする回答割合が高かったと報告されています。今後も引き続き、東南アジア諸国、世界から、尊敬され、期待される国として日本は頑張っていかなくてはならないと改めて感じたデータでありました。
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