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2024-03-22 00:00
疑心暗鬼と言う心のウイルスについて
真田 幸光
大学教員
私は、「新型コロナウイルス」と言う身体に悪影響を与えるウイルスはやっと沈静化の方向に向かっているが、「疑心暗鬼」と言う心のウイルスは一向に沈静化しない、沈静化どころか、悪化する危険性もあると考えています。「私たちは皆、様々な情報を基にして判断をしていくが、その情報そのものに疑惑が生じれば、情報分析することが極めて困難となる。」と言うことは明白であります。こうした中、今現在、世界では情報に対する疑惑が生じるような疑心暗鬼が広がってきているように思えます。
例えば、本年1月に台湾で実施された、「総統選挙」では与党・民主進歩党の頼氏が当選しましたが、その得票率は、「僅か40%」と報告されており、国民の過半の支持も受けておらず、更に議会に当たる立法院は最大野党の国民党がトップとなり、所謂、行政府と立法府の、「ねじれ現象」が起こっており、民進党の頼新政権の政権運営はかなり苦戦しそうであるとも見られています。
そして、こうした苦戦の状況となった背景の一つとして、「台湾の若い有権者の民進党離れ」
があるとされていますが、与党・民進党は今回の一連の選挙で、台湾の若い国民に人気のあるSNSであるところのTikTokが中国本土資本の運営であることから、これを利用せず、一方、野党・国民党はこのTikTokをフル活用して若い有権者を取り込んだことが、こうした結果を生んだ大きな背景となっているとの議論となっています。即ち、TikTokは台湾での政治的情報戦に利用されており、その情報戦の中で、中国本土の意向を汲む、「Net Army」と呼ばれるプロフェッショナルが台湾の世論を誘導したとの見方が台湾国内では広がっています。
そして、もちろん、国民党はこうした見方を否定しますから、台湾国民は、「何が真実であるのかよく分からない。」という状況に置かれ、こうした結果、「疑心暗鬼」という心のウイルスに蝕まれ始めているとの状況である模様です。世界的に広がる、「疑心暗鬼と言う心のウイルス」による悪影響に対して、私たちは今暫く注意を払っていかなければならないと思います。
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