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2024-02-23 00:00
米中関係について
真田 幸光
大学教員
米国のブリンケン米国務長官と中国本土の王毅共産党政治局員兼外相は2月16日、訪問先のドイツ・ミュンヘンで会談した。両外相は各分野で米中間の高官協議を続けることを確認したが、ブリンケン国務長官が中国本土はウクライナに侵攻するロシアへ軍事支援をしているとして改めて懸念を表明し、王外相は米国による台湾への関与を牽制するなど、抜本的な問題での歩み寄りは見られなかった。
尚、王毅外相は17日、ミュンヘン安全保障会議で演説し、「中国本土は混乱する世界に安定をもたらす力となる」と強調し、11月の米国の大統領選でトランプ前大統領が再選するシナリオが現実味を帯びる中にあって、揺らぐ危険性を持つ国際秩序への不安を逆に利用して、中国本土こそが現行の世界秩序を守る国であると印象付け、欧州各国との関係強化を図る姿勢を示している点、注目しておきたい。
また、世界には、「2028年には中国本土が米国に追いつき、世界1位の経済大国になるだろう」との見方がある。新型コロナウイルス感染症の流行がピークとなった2020年末に示された見通しであり、英国のシンクタンクである経済ビジネスリサーチセンター(CEBR)は当時、「中国本土は他の先進国とは異なり、新型コロナウイルス感染拡大にも拘わらず、景気低迷を経験しなかった。初期防疫の成功だけでなく、積極的な経済政策、米国の4倍近い人口を抱えていることから、中国本土は近い将来、世界トップの経済大国になるだろう」と指摘していた。
こうした見方が今も尊重されるのか否か、現在、景気が鈍化、人口成長の鈍化問題なども指摘され始めている中国本土の経済発展の先行き不安の声が高まるのか、米中覇権争いの中で注視していきたい。
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