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2023-07-18 00:00
「大国の狭間」で生き残る朝鮮半島
真田 幸光
大学教員
朝鮮民族は、南北共に、その地政学的な立ち位置からか、「大国の狭間」で生き残る術を持っていると私は見ています。時にそれは、「生き残る」というよりは、「大国の狭間でむしろキャスティング・ボードを握り、自国のポジションを高めていく術」を持っているとも言えます。
正に、今、韓国も北朝鮮も米中露の狭間にあって、また裂きに合いながらも、「自国の立ち位置を有利に持っていく」という作戦の下、外交政策を展開しているものと思います。そして、韓国はムン前政権よりは相対的には米国寄りに回帰する姿勢を示し、外交政策運営を展開、バランスのとり直しを行っていると見られています。
こうした中、中国本土のケイ海明駐韓中国大使は、韓国野党・共に民主党のイ・ジェミョン代表と面会、その際に「ユン・ソクヨル政権の外交政策」を批判しました。更に、中国本土政府・外交部も、「現在の中韓関係に於ける困難や挑戦などは中国本土自ら招いたものではない」とし、ケイ大使の発言を容認、韓国側にその責任を押し付ける姿勢を示しています。中国外交部は、「韓国政府の関係者はこの問題をバランス感覚を持って認識し、問題を如何に直視して中韓関係の安定と成長を実現するかに焦点を合わせることを望む」ともコメントしています。
更に、「韓国政府と政党、各界の関係者と幅広く交流し、中韓両国が互いに関心を持つ問題について意見交換を行い、中国本土の立場と懸念を共有することがケイ大使の仕事である」と強調しつつ、「中国本土としては中国本土と関係改善を望む勢力と交流、場合によっては、そうした勢力を側面支援することも辞さない」といったことを匂わせる発信を行っている点は留意しなくてはならないと思います。
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