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2007-09-06 00:00
連載投稿(2)海外での日本の貢献度を算定せよ
河東哲夫
Japan-World Trends代表
実質成長率では、日本はそれほどひけをとらない。2000年から2004年の間、日本が6.2%、米国が9.5%、英国が10.5%、フランスが7.0%伸びている。生活の質は、欧米諸国以上のテンポで良くなっている。しかし国際場裡では、実質よりも見かけ、つまり名目GDPがものを言う。どうすればいいのか?消費税を上げ財政支出を増やしてインフレを起こすか、円切り上げを誘導するか、それともナショナリズムを煽って国民の士気と国家としての存在感を高めるか。どれも解決策になりはしない。どうすればいいのか?
目を海外に転じてみる。すると、日本は経済面でも結構やっているのだ。中国の輸出の50%強は外資系企業によるものだが、その4分の1が日本企業だと仮定すると、中国の輸出の10%強は日本系企業によるもので、しかもこれら企業はタイやベトナムに建てた工場と中国に作った工場との間で水平分業体制を築きつつある。日本経済は、アジア全域の経済を押し上げているのだ。北米では400万台強、アジアでもそれを上回る数の自動車を、日本の企業は製造している。
こうした企業が海外であげる収益は日本に返って来るわけでもなく、一般の日本人の所得水準を引き上げてくれるわけでもない。海外における日本企業は当然のことながら、むしろ現地の人々の所得向上に貢献している。だとするなら、海外での日本の製造・サービス企業があげている売り上げ、収益を毎年集計してみてはどうか。日本の直接投資は多くの場合、収奪型ではなく貢献型なので、このような統計は海外における日本の存在感をアピールするのに好いと思うのだが。これでなくてもいい。経済力を政治力に転化する方策を、他にもいろいろ考えなければならない。(おわり)
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