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2023-06-28 00:00
韓国の輸出競争力について
真田 幸光
大学教員
韓国の最新動向について、いつくか述べてみたいと思います。まず、韓国では次の総選挙を来年には迎える予定であることから、既に政治の季節に入っているという状況にある中、「ユン大統領のリーダーシップ不足」が一部では指摘されているようです。そうしたコメントの中には、前回の選挙無効訴訟に対する大法院の裁判や選挙管理委員会の対応に対するユン大統領の姿勢に対する不満も出ているようです。左翼政権の清算も出来ず、その左派の巻き返しも懸念されています。また、ユン大統領を支える「右派」の中でも、パフォーマンスばかりの大統領への不信・不満が高まっているとの声も耳にします。即ち、世論調査に出る、数字にはそれなりの根拠があると言うことであります。
厳しい国際情勢にさらされる日韓が真に信頼関係を持ったと言うのであれば、自らの国内の評価を上げる為のポピュリズム的な効果を期待した日韓関係の改善ではなく、「如何にすれば、平和共存が出来る東アジアの構築が出来るのか」を意識した日韓関係の改善に向かって、日韓両国政府が力を合わせて戴きたいと思います。但し、日韓の自主的な「すり寄り」を米国がどう反応するのかは警戒しつつ、ではありますが。
次に韓国の輸出競争力について、良いか悪いかは別にして、「韓国は貿易依存、就中、輸出依存の高い国」であります。また、輸出を主導する企業が大企業であり、この結果、財閥依存度の高い国ともなっており、また、昨今では、主要輸出国のトップが中国本土となっていることから、中国本土依存の高い国ともなっているとも言えましょう。こうした現状から考えると、「韓国の主要輸出貿易商品の競争力」は韓国経済を眺めていく上で、とても大切な指標となっていきます。さて、こうした中、韓国の主要経済団体である全国経済人連合会(全経連)の分析によると、「昨年全世界の市場で韓国の貿易品目のうち輸出競争力が相対的に劣る品目が過去10年間で最多となった」との報告がなされ、韓国経済界に波紋を投げかけています。実際には、最近の傾向として、「韓国の輸出競争力は低下してきている」と言われていますが、その傾向が続いていると言うことなのであります。
具体的に眺めてみます。全経連は、2013年から昨年までの輸出品目の貿易特化指数(TSI)を分析したとしています。ここで言うTSIは特定商品の競争力を示す指標(マイナス100-プラス100)で、基準値の0を境として、マイナスなら輸入依存度が高く、プラスならば輸出競争力があり、国際的に優位にあることを示す指数とされて、点数化され、示されています。2013年時点ではTSIがマイナスの品目は全体1,216品目のうち815品目(67%)となっていましたが、2022年には1,221品目のうち846品目(69.3%)に増えたとしています。一方、同じ期間にTSIがプラスの品目は401品目(33.0%)から375品目(30.7%)に減少したと報告されています。果たして、韓国の輸出競争力が今後も下がり続けるのか否か、また、その結果、韓国経済は如何に変化していくのか、などを今後もフォローしたいと思います。
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