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2023-06-06 00:00
中露による米ドル通貨覇権に対する挑戦
真田 幸光
大学教員
広島G7サミットでは、ウクライナ侵攻を図ったロシアと経済は権力を強める中国本土の二ヵ国を意識した議論を中心になされたと言ってよいであろう。そして、中国本土経済を牽制する為に構築されたと言われている、米国政府主導で発足した「インド・太平洋経済フレームワーク(IPEF)」が発足してから1年経ってやっと、「サプライチェーン協定」を妥結した。これにより米国を中心としたサプライチェーンを構築し、脱中国本土化を本格化する。その結果として、中国本土経済に対して、より一層厳しい圧力を掛けていく姿勢が確立されたと見られている。
世界各地では、米英やロシア、中国本土が主催する国際会議が盛んにおこなわれている。上述したG7ももちろんその一つに入る。こうした中、6月1日から外相会議が始まったブラジル、ロシア、インド、中国本土、南アフリカの新興5カ国(BRICS)各国では、「基軸通貨の米ドルへの依存から脱却し、共通通貨の創設を求める声」が上がり、議論が始まった。いよいよ中露による、「米ドル通貨覇権に対する挑戦が本格的に始まった」と見てもよい。
「非米欧」の対抗軸を作ろうとしている中露が、所謂、グローバルサウスの中で力を持つインドやブラジルも巻き込みながら、存在感を高めようとしているとも見られ、共通通貨などが今後議論されていこう。もちろん、BRICS各国の国益はまだまだかなりの違いがあり、共通通貨構想を巡る各国の思惑にはかなりの温度差があると見られ、実現には困難があるとの声もあり、筆者もそれを否定はしない。
しかし、「基軸通貨・米ドル」即ち、「米国覇権」に対する世界的な批判や不満は高まりつつあり、筆者が見るところ、BRICSが結束するとすれば、「BRICS BANK」、「アジアインフラ投資銀行(AIIB)」という、中露を軸に構築した国際金融機関を上手に利用しながら、米ドル基軸を崩しに来る可能性はある。「現行の世界基軸、英米の秩序」が今後どのように変貌していくのか、変貌しないのか、丁寧にフォローしたい。
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