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2022-10-05 00:00
(連載2)防衛力強化会議の不思議な委員構成
中村 仁
元全国紙記者
座長は佐々江賢一郎氏(元駐米大使、元外務省)です。黒江哲郎氏(元防衛次官)ら防衛費のGDP2%目標(5年程度で達成)に向けた主張をするのでしょう。自民党と同様です。「始めに2%ありきでなく、必要な防衛力を想定し、それに必要な予算をつけるべきだ」という議論が高まっています。それにしては「必要な防衛力」を説明できる委員が少なすぎます。
こう考えると、この有識者懇の狙いははっきりしてきます。財源問題をどう扱うかです。現在のGDP比は1・08%で、海保予算などを加えた防衛関係費は6・9兆円、同1・24%です。2%に引き上げるには、あと5兆円が必要となります。財政制度審議会は26日、「防衛力強化について赤字国債に依存すれば、有事の際の経済を不安定化させるとして、安定財源の確保」を求めました。これは正論です。安倍・元首相は「国債発行で賄う」路線をリードしようとしていました。論外の主張ですし、安倍氏の死去後はまともな財政論が復活してくることを私は期待しています。
21年度の消費税収は20・3兆円(税率10%)で、税収の内訳では最大です。次いで所得税18・7兆円、法人税9兆円などです。今後5年で5兆円、防衛予算を増額しよとすれば、消費税を2%は引き上げることが必要になる。世論調査では防衛予算の増額に60%以上の賛成が得られていますから、総論では支持されるとしても、実際に消費税を2%、引き上げることは容易ではなく、支持率が急落している岸田政権では困難が作業になります。
そう考えると、新聞関係者を3人も委員にしたのは、「消費税引きあげ不可避」のキャンペーンを張ってもらいたいとの意図が見えてきます。その場合は、新聞は軽減税(現在8%)の適用を要求してはいけません。部数減覚悟しても、増税を主張すべきです。金融関係者が2人加わったのも、「国債増額はもう難しい状況になっている」との主張をリードしてもらうつもりでしょうか。金融界はこれ以上、異次元金融緩和を続けることは日本経済にも金融市場にも、悪影響が高まるばかりだと、主張することが必要です。(おわり)
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