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2022-10-04 00:00
(連載1)防衛力強化会議の不思議な委員構成
中村 仁
元全国紙記者
政府は防衛力の抜本的強化に向けて自衛隊装備、予算・財源を議論する有識者会議を設け、30日に初会合を開きます。発表されたメンバー10人の顔ぶれをみて、防衛力強化の専門家があまりにも少ないことに驚きました。10人のうち新聞関係者が3人、金融関係者が2人、技術系の学者2人でした。防衛問題の識者と言えるのは元防衛次官(三井住友海上火災保険顧問)、元駐米大使(日本国際問題研究所理事長)の2人くらいでしょうか。国際情勢を語れる中西寛・京大教授を加えても3人です。
政府からは岸田首相、松野官房長官、林外相、鈴木財務相、浜田防衛相が参加し、総力をあげて「防衛費をGDP比でNATO(北大西洋条約機構)基準・目標の2%」に引き上げる体制を組みました。メンバー表を見て、10人中3人が新聞関係者と多いのはなぜだろうと思いました。首相が直接、リードするこの種の会議(有識者懇・審議会)で新聞人が入るのは、せいぜい1人といくのがこれまでの相場だからです。
新聞人は船橋洋一氏(元朝日新聞主筆)、喜多恒雄氏(日経顧問、元社長)、山口寿一氏(読売社長)で、朝日、読売、日経とバランスを考えたような構成です。船橋氏はシンクタンクの代表で国際情勢・防衛問題を語れる人でしょう。日経、読売は国際情勢、防衛問題とはまったく無縁の経歴の人です。新聞社ならば、この分野の専門家(論説委員、解説委員)がいるはずなのに、そうでなく新聞社の経営代表が参加する。経営者でも国際情勢、安全保障を語れる人物はいることはいました。今回はそうではない。
次に目を引くのは金融関係の委員です。ただ一人の女性、翁百合氏(日本総研理事長)は元日銀幹部で経済・金融金融情勢にくわしくても、防衛問題はしろうとでしょう。国部毅氏(三井フィナンシャルグループ会長)も社会に向けて、防衛問題を語ったことはないでしょう。学者としては、上山隆太氏(総合科学技術イノベーション会議議員・元政策大学院副学長)は科学技術政策の専門家です。橋本和仁氏(科学技術振興機構理事長)は半導体、高分子電池の専門家でしょうか。(つづく)
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