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2022-09-23 00:00
(連載2)習近平氏、気になる今後の動向
岡本 裕明
海外事業経営者
国内の派閥争いも厳しい情勢でしょう。そもそも反習近平派としては今般の共産党大会の下地作りとなった8月の長老による北戴河会議が中国政局の「マジノライン」であったと思われます。が、習近平氏に神風が吹いたともいわれています。それがペロシ下院議長による台湾訪問で政争の議論が台湾問題にすり替えられて難局を乗り切ったともされます。これが現時点で習氏が三期目続投だろうと言われている背景の一理由です。プーチン氏と会談したということは既に共産党大会に向けた脂っこいところをクリアしたとみてよいのでしょう。故に次の布石を打つための会談になるわけです。
ではなにが議題になるのでしょうか?直接的な実務、貿易や体制の確認はともかく、世界と対峙するこの二つの国が今後、どう体制強化を図るかの大枠プラン作成だろうとみています。特にG20でどの国を取り込むのか、戦略を練るのでしょう。私が見るカギのなる国はインドとブラジルです。特にブラジルは10月2日に大統領選挙があり、現職で右派のボルソナロ氏の不利が伝えられており、左派のルラ氏が下馬評通り当選すれば中国は即座に取り込みに入ります。インドにはクアッドの実質崩壊を狙い、ロシア、中国両方からの甘いディールが持ち込まれるのは確実でしょう。
私は以前、ウクライナの停戦交渉に中国が一役買うこともあり得ると述べました。それは私の勝手な妄想ではなく、現実にゼレンスキー氏が習近平氏との会談を望んでいることが報じられており、交渉打開の方策案の一つなのです。もちろん、西側諸国がその発言を警戒して、裏でゼレンスキー氏に厳しいプレシャーをかけているのは目に見えています。可能性は微妙ですが、G20にゼレンスキー氏が何らかの形で参加する検討もあるとされ、その場合の仲裁が習近平氏というのは絶対にないシナリオではありません。そのあたりのプラン作りは習氏もプーチン氏も長けているので布石づくりに余念がないはずです。
一方、バイデン氏はG20で習近平氏との会談を調整しています。ではバイデン氏はプーチン氏とは目も合わせないのか、停戦介入をしないのか、となればこれはこれでアメリカ世論からは意見が出るでしょう。G20の日程は11月15-16日。アメリカ中間選挙は11月8日ですからバイデン氏としては残り2年の自身の戦略として腹を決めなくていけない時期でもあるのです。この秋の世界の政局はファクターが非常に多いと思いますがやはり、習近平氏がその中心にいることは間違いなさそうです。(おわり)
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