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2022-09-22 00:00
(連載1)習近平氏、気になる今後の動向
岡本 裕明
海外事業経営者
習近平氏が2年8か月ぶりに外遊しました。9月15-16日にウズベキスタンで開催される上海協力機構首脳会議への出席に合わせ、プーチン大統領と会談しました。プーチン氏は外交活動をここにきて少し活発化させていますが、習氏はようやく始動という感じでしょうか。中国共産党大会が10月16日から開催され、自身の3期目の就任の決議がかかっていることもあり、今回の会談で何らかの「合意」や「同意」があったとしても表に出てこない可能性はあると思います。また共産党大会終了後、11月にインドネシアのバリ島で開催されるG20にプーチン氏、習近平氏共に参加の意向を示しており、こちらの方が不気味であります。そのあたりをにらんだ一つの準備相談ではないかという気もします。
習近平氏を取り巻く環境は「晴れ」とは程遠く、今にも雨が降りそうな黒雲が覆うという状態ではないかと思います。「内憂外患」が最もふさわしい言葉でしょう。4-6月の経済低迷はコロナによる封鎖が主因でしたが、現時点で見れば活動は回復しつつあります。が、世界経済が来年に向けて景気後退期に入るのではないかとみられるその背景に「新常態」があり、未だにその霧の向こうにある「ポストコロナのニューノーマル」が見えない中、巨体の中国がその新常態にたやすく調整するのは困難であろうと推測できます。
表面的な産業再開や輸出業務の平常化はできるかもしれません。しかし、懸案の不動産問題は政府が4兆円を投じて仕掛り中の開発物件の完成を急がせるとしました。不動産最大手、恒大集団を潰さずにここまで維持してきたのはたぶん、やりかけの仕事を政府監視のもと最後までやらせる算段だからでしょう。同社は一種の清算会社の扱いですが、この場合、「精算」をしたのち、本当の「清算」をさせるのだろうとみています。まだ数年かかるのではないでしょうか?会社はもちろん、骨抜き状態です。
ただ、私の懸念は今回の不動産問題は供給側だけではなく、数年前に購入をコミットした顧客の経済的事情の変化もあるとみています。コロナ制約を通じて家計の状況は大きく変わっているはずで個人破産や契約破棄が相当増えてもおかしくありません。更に、16-24歳の若年層の都市部居住者の失業率が19.9%と統計発表以来最高になっています。かつて日本でも「大学は出たけれど」という映画がありましたが、この数字から見えるのは「中国の韓国化」です。政府発表の統計では真偽のほどが図れませんが、若年層が高失業率であり、仮に韓国ほど年長者を敬う儒教的雇用体系が進んでいないならばそれより上の年層の失業率も一定規模で上がっていると推測でき、どう見ても雇用が中国のネックになりかねないと思います。(つづく)
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