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2022-09-20 00:00
(連載1)エリザベス女王の国葬は大英帝国の残像
中村 仁
元全国紙記者
エリザベス英国王の葬儀が19日、ロンドンのウエストミンスター寺院で行われ、日本からも天皇、皇后両陛下が参列しました。来週の27日に非業の死を遂げた安倍・元首相の国葬が行われます。二つとも国葬(state funeral)と呼んでいますから、二つを比較してみたくもなります。比較することには意味はあるし、無意味でもある。国による国葬の違いを学ぶことには意味があります。一方、歴史、伝統、葬儀の位置づけがまるで違うし、英国は国家元首(国王)、日本は政治家(首相)で異次元の儀式ですから、比較することに意味がありません。それでも比べたくなるのは、英女王の国葬がまるで映画でも見るかのように人々の関心を大きく引くつけるからです。これが結論の一つです。
もう一つの結論は、エリザベス女王という威厳、尊厳、親しみやすさに溢れた国家元首(日本の場合は天皇)の姿を見て、日本でも女性・女系天皇を認めていいのではないかという願望です。NHKの現場中継には、多くの女性記者が動員され、エリザベス女王を偲んだり、植民地にされたインドからの批判も伝えたり、いい組み合わせだと思いました。女性がどんどん登場する時代になっているのです。 天皇、皇族問題になると、思考の座標軸が時代離れしている論者ほど、大きな声を上げる。愛子さまをもっと公の場で活動してもらい、国民の共感を高める努力を皇室、宮内庁はしてほしい。
二つの国葬に戻りますと、エリザベス女王は在位70年、96歳で死去しました。国葬が行われたウエストミンスター寺院は1245年に起工され、完成した1269年以後も増改築が20世紀に至るまで続けられました。全盛期には全世界の陸地、人口の4分の1を支配した大英帝国の世紀(パックスブリタニカ)を象徴する建造物でしょう。英国が自ら生んだ産業革命(16、17 世紀)による爆発的な発展が英国も世界を変えました。植民地からの富の収奪もあり、英国の歴史的な発展を支えました。
世界に君臨した壮大な歴史の残像がウエストミンスター寺院、荘厳な国葬でもあるのでしょう。世界最大、最高の国葬といってもいい。君主以外の国葬としては、万有引力のニュートン、トラファルガー海戦のネルソン提督、第二次世界大戦に勝利したチャーチルらが紹介されています。要するに、英国の国葬は世界史レベルで語られる。(つづく)
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