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2007-08-29 00:00
イメージ戦略は練られているのか
舛島貞
大学助教授
昨今、「外交」を語る文脈に変化が見られる。政治、軍事、経済について外交をおこなう時代からイメージの外交の時代にはいっているという議論だ。歴史認識問題にせよ、現在の価値観でそれを扱い、国際社会におけるイメージ戦略の下でさまざまな議論がおきているという。このような傾向をもたらしたのには、アメリカの外交があるとし、日本もそうしたイメージ戦略を積極的におこなうべきだとされる。これは何も、「日本」への好感度をあげるような、一般的な「パブリック・ディプロマシー」ではなく、特定の問題についてイメージを発信し、反論していくことも視野に入れた議論である。北岡伸一「『外交革命』に日本はどう立ち向かうか」(『中央公論』2007年9月号)はこうした議論を代表するものだったと思う。
「東アジア共同体」について、日本はいかなるイメージ戦略をもち、それを実践してきているだろうか。日本が望む「東アジア共同体」のありかたを阻害する要因を除去したり、溶解させたりするためのイメージ戦略は練られているだろうか。ここには、日本の構想するアジアには歴史的なアジア主義や大東亜共栄圏がつきまとうのではないかという言論への反論も含まれる。無論、三谷太一郎「学者はナショナリズムの防波堤たれ――国家を超える「学問共同体」の役割」(『論座』2007年9月号)がとなえるように、東アジアにおける学者の共同体形成も重要かもしれない。だが、こうしたイメージ戦略は、多角的に構想されるべきものだろう。「なるようにしかならない」側面はあるものの、こうしたイメージ戦略が、かつてないほどに重視されている状況の中で、問題を放置することもできないように思われる。年末にかけて予定されている日本と東アジア諸国との首脳会談、多国間会議などにおいて何を主張するのか、準備が求められるところであろう。
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