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2022-09-13 00:00
(連載1)「マクロの人権侵害」とその課題
鈴木 馨祐
衆議院議員
先月、党の会議で、「責任あるサプライチェーンにおける人権尊重のためのガイドライン(案)」というものが政府から提示され、説明を受けたのち議論がなされました。このガイドラインは、各企業において自主的に、人権方針の策定・公表を行い、それを踏まえて自社や直接取引先及び間接取引先の企業活動に関して人権デュー・デリジェンス(負の影響の特定・評価、負の影響の防止・低減、取組の実効性の評価、説明・情報開示)を繰り返し、人権侵害の予防、適切な解消が出来なかった場合に補償を含めた救済を行うことを求めるものです。
私も党の会議で指摘いたしましたが、児童労働や強制労働などの人権侵害を企業の活動を通じて無くすための取り組みは極めて重要で大きな方向性としては必要なものですが、中身や建付けについてはいくつか大きな問題をはらんでいると言わざるを得ません。
このように企業に人権デューデリジェンスを求める背景にあるのは、2010年代以降国際社会において、児童労働や強制労働などへの懸念の高まりから、企業に対してその活動において人権尊重を義務付ける動きが活発化したことがあります。しかしながら、ここ数年、例えばウイグル等における中国の人権弾圧、ロシアのウクライナ侵略など、国際情勢の変化に伴って、企業活動における「人権」リスクの意味するところが変化し多様化した実態があります。
こうした独裁国家による国家の行為としての人権侵害が、企業活動の人権リスクの主流になってきている状況の中で、このようないわば「マクロの人権侵害」と、伝統的に問題視されてきた児童労働や強制労働といった人権侵害を、その全く異なる事象にもかかわらず、企業の自主的行動を求め政府が前面に出ない今回の同一のガイドラインでカバーしてしまって良いのかという根本的な問題があります。(つづく)
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