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2022-09-05 00:00
ロシアとウクライナの戦争状態はいつまで続くのか?
飯島 一孝
ジャーナリスト
ロシア軍がウクライナに侵攻してから半年が経過したが、依然として激しい戦闘が続いている。少し前までは双方ともかなり消耗していて、早ければ秋にも停戦へ動くのではとの見方が強かった。だが、半年経っても戦闘はレベルダウンしないどころか、激しさを増しているところもある。このため、戦争状態の長期化は避けられず、見通しが立たない状況が続きそうだ。
ロシアとウクライナの戦線は、今年2月下旬の開戦以来、ウクライナのほぼ全土に広がり、全体状況が見えにくくなっている。当初はウクライナの首都キーウ(キエフ)の攻防から始まり、ロシア人住民の多い東部戦線から南部のヘルソン州などに拡大。現在はロシアが強制編入したクリミヤ半島も主戦場の一つになっている。ロシア軍の投入した地上兵力は、正規軍や武装兵力を合わせて30万人程度に対し、ウクライナ軍は総勢30万人から国民総動員令で百万人規模に膨れ上がったという。最初、ロシア軍は兵力で優っていたが、ウクライナの大量動員で兵力はほぼ五分五分になった。そのうえ、ウクライナは西側諸国から供与された高機動ロケット砲システムなどの最新兵器により、反撃に本腰が入りつつある。その結果、ロシア軍も「このままでは押し返されてしまう」として、現在の「特別軍事作戦」から総動員令を含む「宣戦布告」に格上げするのではという見方も出ている。そうなると、ロシアが核兵器を使うという懸念も現実味を帯びて来る。
ロシアからの報道では、プーチン大統領は最近、「我々はまだ本気で何かを始めたわけではない」とも述べていて、今後さらなる戦闘強化もあり得る事態になっている。一方、ウクライナのゼレンスキー大統領は、旧ソ連からの独立記念日(8月24日)の前日に開催されたオンライン国際会議で「クリミヤの奪還は欧州における反戦の大きな一歩になる」と述べ、妥協せずに戦い続ける姿勢を示している。
ウクライナを支援する西側諸国も、依然としてウクライナを物心両面で支えており、引き下がる気配はない。早くも2年後のロシア大統領選挙まで、プーチン大統領がこの戦いを続けるのでは、という観測も出ている。これから秋、冬が近づくと、天然ガスをロシアに依存する西側諸国も心おだやかではなくなるため、新たな動きが出て来るかもしれない。ますます戦況から目を話せない状況が続くことは間違いない。
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