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2022-08-18 00:00
(連載2)24年大統領選はバイデンVSトランプなのか
岡本 裕明
海外事業経営者
アメリカの威信がさび付いているのではないか、という推測はさほど外していないと思います。いや、むしろかつてのアメリカを知っている人にとっては物足りないのでしょう。今はその過渡期にある、それが正解です。とすればバイデン氏やトランプ氏のような高齢者に託すより若い将来に夢と希望がある人物がリーダーシップをとるべきだというのは言を俟ちません。
前回の大統領選の前哨戦である民主党候補を選ぶプロセスでは民主党内部から立候補者が大挙し、かつ、その方針はポピュリズムから原理的な思想まで私から見れば「1点豪華主義」の政策を振りかざしたわけです。その「1点」がポピュリズムの極みであり、コアなファン層から確実な票を取るという戦略でした。ふたを開けてみれば「1点豪華」より「どれも特等ではないけれど落第点もすくない」バイデン氏が選ばれました。トランプ氏は独特の言い回しで「3点」でも「5点」でも挙げると主張し、実際に何らかの手立ては打ってきたという強みがあります。実業家だけに出来もしないウソは言わないということでしょう。
私が期待するアメリカとは国内世論をある程度まとめ、世界に新たな方向性を暗示し、アメリカがそこに向かって強いリーダーシップを見せ、他国がそれにフォローできる前向きな力強さです。それにはアメリカが自己保身にならず、高い交渉力と調整能力を備えることであり、同盟国との協調も求められるでしょう。
共和党からはフロリダのデサンテス フロリダ州知事など候補者となりうる名前がぽつぽつ上がり始めています。共和党にとって最大のハードルはトランプ氏の存在が味方するのか邪魔になるのかであり、それを早く決めることでしょう。一方、民主党は私の見る限り一枚岩にはなれない烏合の衆となりつつあります。とすれば共和党が少しだけ左に寄せて民主党の票を奪い取ることは可能かもしれません。もちろん、ブレない共和党という発想もありますが、移民国家ならではの民主主義が尊重される時代がより強調されていることはこの数十年の特徴かと思います。ならば、共和党としてトランプ氏は邪魔だという結論になる可能性も大いにあると私は予想しています。今後の展開のオプションとしては、これから2年の間に共和党の大統領候補たちがネームバリューを上げ、「誰でも知っているあの人、この人」を数名、早急に生み出すことではないでしょうか。トランプ氏の呪縛に囚われていたら共和党は選挙に勝てても世界に勝てないとみています。(おわり)
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