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2022-08-08 00:00
中国への投資離れが進む原因は「習近平」
宇田川 敬介
作家・ジャーナリスト
「経済と政治は別」とはよく聞く言葉である。しかし、その常識が通じない経済大国が隣にある矛盾に日本人は慣れきってしまっている。「習政権は昨年、国内で最も収益性の高い企業に対する一連の締め付け策を打ち出した際、世界の投資家をほとんど無視した。その結果、株主が損失を被っただけでなく、共産党の目標を巡る不信と混乱が生じた。また、今年に入りロシアのウクライナ侵攻に加え、習政権がゼロコロナ政策に固執したことで、米国との貿易戦争中に芽生えた中国資産に対する警戒心も強まった。」(2022年7月18日、Bloomberg)。これは「投資家の中国離れ進む、あまたのリスクを警戒-習主席の政策も一因」というタイトルの記事の一文であるが、投資効率の高さから今まで多くの矛盾を抱えつつも人気の投資先であり続けた中国に対する「常識」的な疑問が再認識されたという話である。
そもそも中国に投資することは、現地体制と切り離せないリスク(カントリー・リスク)を受け入れるということであり、なおかつ資本主義経済の常識が通用しない土地で様々な経済活動上の問題にあたっていかなければならないというリスクを甘受するということであると、投資家や企業はよくわかっているはずである。習近平が国家主席になった直後の「三中全会」で「政治が健全に支配制御する市場経済」について表明した通り、市場経済に政治が介入するどころか、政治が支配することが国家的な経済観である。
これは「経済自由の原則」といった自由民主主義の国の発送とは全く異なる思想である。当然に国家権力によって政治的に「管理される経済」が長期的に成功した試しなどなく、基本的には投資先として継続的に有望であり続けることは不可能である。今回の投資資金の中国離れという現象は、そのような管理される経済圏には投資が集まらないという、本来当たり前のはずのことへの答え合わせがなされたというだけのようにも思える。
まさに、習近平の政策リスクがそのまま現れてきたといえるのではないか。このことは、少なくとも日本の保守派の間ではずいぶん前から言われていることであり、なおかつ、私も繰り返し強調してきたことである。ある意味で共産主義の国で「資本主義を理解していない政治が、投資を逃がした」という構図であり、しっかりと日本の企業は共産党が経済まで指導する歪な体制の不確実性を見るべきである、民主主義が根付かない所に、資本主義、経済の自由が根付くはずがないのである。それくらいのあたりまえのことがわからないのか。日本の企業の政治的な「先見性」が問われているのではないか。
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