ホーム
新規
投稿
検索
検索
お問合わせ
本文を修正後、投稿パスワードを入力し、「確認画面を表示する」ボタンをクリックして下さい。
2022-07-26 00:00
(連載2)岸田内閣は憲法改正に本気になるのか
宇田川 敬介
作家・ジャーナリスト
憲法と教育に関しては、「票につながらない」ということで、多くの政治家たちが必要だと言いつつも、本当に選挙に強い政治家だけが扱うことができる分野であった。憲法改正は、重視する有権者が少ないばかりではなく、自衛隊など反対派も多いテーマに触れざるを得ない為に反対派が固まるというデメリットの方が大きい。また教育に関しては、その対象者が未成年で投票できない、票につながらないということになるのである。安倍晋三氏は、元々この票につながらない2つの政策が最も重要であるということをよくわかっていた。ゆえに選挙に強い彼自らが強力にリードしていたのである。
さて、安倍晋三元首相が凶弾に倒れてしまった今となって、この「票につながらない」と言われる憲法と教育の政策を安倍氏が重視してきた意味を理解し、あるいは実際に重点的に行ってきた議員はどれくらいいるのか、特に岸田総理はどうなのかということになる。上述した通り自民党は「改憲派」と言えるのであるが、しかし、自民党の実質的な改憲勢力というのは、安倍首相を中心にした勢力である。つまり、安倍元首相がいなくなった現在において、自民党が本当の意味で「改憲派」として動くのかどうかは難しい所である。もちろん、自民党は保守派の支持が無くなると困るので、改憲に向けたポーズをすることになるかもしれないが、しかし、「ポーズ」くらいでは改憲にはつながらないくらいハードルが高いことは先に述べた通りである。
参議院選挙が、教科書通りに政策によって政治家を選ぶプロセスであれば、今回の結果が示すことは、国民が改憲に圧倒的な支持を与えたということである。しかし、政治家はそもそも公約そのままに議員活動をするわけでもないし、今回の岸田政権の公約には、憲法改正に努力するとしか書いておらず、実際に改憲に動き出さざるを得ないわけではない。
さて、岸田自民党が大勝利し与野党改憲勢力が多数を占めたからといって、改憲について何かを決めつけることはできない。しかし、今後岸田内閣が何をできるのかということにおいては、大きな変化につながったということになるのである。安倍元首相という「重石」がなくなった今、この環境変化を受けて岸田内閣が何をするのかということは注意深く見守っていかなくてはならない。(おわり)
投稿パスワード
本人確認のため投稿時のパスワードを入力して下さい。
パスワードをお忘れの方は
こちら
からお問い合わせください
確認画面を表示する
記事一覧へ戻る
東アジア共同体評議会