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2022-07-25 00:00
(連載1)岸田内閣は憲法改正に本気になるのか
宇田川 敬介
作家・ジャーナリスト
憲法改正は安倍晋三元首相の悲願であった。もとより「自主憲法」制定は自民党の党是でもある。そもそも現行憲法は、大日本帝国憲法の改正手続きに従って制定されたものではあるが、一方で日本国が主権が停止された状態で行われたプロセスから生まれたその内容はその新憲法が言明するのとは反対に国民ではない者によって概ねを指定された代物である。形式上は明治憲法の規定に従い昭和天皇の裁可と発布によって成立した憲法でありながら、一方でその内容に関しては日本人が自由意志の決定によってきめたものではない。いわゆる「押し付け憲法」である。安倍元首相は、日本国憲法について、事あるごとに「押し付け憲法」という言い方をしていた。その憲法の改正が、参院選の自民党圧勝により重要な論点になっている。
「押し付け憲法」であると言っても日本国憲法は我が国の現体制の正統性の源泉であり、そのプロセスを無視して勝手に変えるということは政治過程の限度を超える。その意味で「押し付け憲法」論に立つといえども「現行憲法上の改憲手続きを経る」アプローチが必要である点では異論がない。では、現行憲法をどのように改正するのか。現在の憲法は、9条に限らず様々な問題点があることがわかっているが、ではどのように変えるのかという具体論になると議論が散乱しがちで、誰も現実的な答えはわかっていない。
その為に、まずは改正の前に徹底的に審議し無ければならない。現在の憲法は形式的には憲法改正手続きが法的に確立している。その為に、一応はその改正手順を尊重しなければならない。では、その改憲プロセスはいったいどういうものかというと、衆参両院で3分の2の賛成で発議し国民投票で過半数の賛成を得るというものである。それを踏まえると、今回の参議院議員選挙で前半の発議までに必要な勢力自体は維持したものの、後半の国民投票に必要な有権者の賛成が得られるだけの支持を得ることがいかに難しいかということの重要性は意外とスポットライトがあたっていない。
つまり、「国民投票で過半数」に値する政策が改憲には必要になってくるということである。安倍元首相は、生前「憲法改正」と「教育改革」を命題としていた。民主党政権時代に安倍氏が自民党の総裁になった時に、自民党のなかに「憲法」と「教育」の勉強会を作ったことがそれを示している。(つづく)
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