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2022-07-06 00:00
(連載2)途上国インフラ支援は中国への対抗策になるのか
倉西 雅子
政治学者
途上国の中には、既に海外金融機関等からの借入等により債務超過の状態にある国も多く、インフラ事業ともなれば、たとえ完成したとしても必ずしもそれ自体に収益性が期待できるわけでもありません。特に、「一帯一路構想」にあっては、中国を起点としてヨーロッパへ繋がる大陸運輸構想ですので、通過地点に当たる諸国内の交通網がたとえ整備されても、通過点となる諸国は素通りされる可能性もあります。また、国家が策定するインフラ事業の建設地や交通のルートは、一先ずは経済合理性に基づいて計画されますので、’誰が資金を提供するのか’の違いしかないのかもしれません。
無法国家である中国に対して厳しく接すべきことには異論はないのですが、’中国憎し’のあまりに途上国へのインフラ支援を増額した結果、中国が抱えているインフラ投資リスクを肩代わりする、あるいは、貸し倒れの危機にある海外の金融機関を救済するために日本国が利用されたのでは本末転倒です。
既に途上国のインフラ整備には巨額な貸し付けが行われており、焦げ付きを怖れた米欧系や中国系の金融機関が、赤字事業からの撤退や債務回収のために、日本のマネーを吸い上げようとしている可能性もあります。中国への対抗策として打ち出されているにも関わらず、その実、陰でほくそ笑んでいるのは、中国、並びに、中国利権を有する海外企業であるかもしれません。
これまで信じがたい程の高支持率を記録してきた岸田政権ですが、途上国支援を目的とした8.8兆円の拠出を表明するに至っては、国民が同政権の背後を怪しむことでしょう。ネット上の支持率調査やアンケートでは、岸田政権に対する支持は主要メディアの世論調査と大きく乖離するものも見られ、本当の有権者の意志がどこにあるかは来る参議院議員通常選挙の結果を見る必要があるでしょう。(おわり)
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