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2022-06-24 00:00
(連載1)NPT再検討会議が人類の未来を変えるか
倉西 雅子
政治学者
コロナ禍の影響を受けて延期となっていたNPT(核兵器不拡散条約)の再検討会議は、今年8月にアメリカで開催される予定です。ウクライナ危機により核戦争のリスクが高まっている中での開催となりますと、否が応でも関心が高まります。
NPT体制が地政学的思考を強化すると共に大国による寡頭支配体制を固定化し、さらには核戦争に直結しかねない第三次世界体制へのレールを敷いているとするならば、早急に同体制の見直しに着手する必要がありましょう。もとより不平等条約とされたNPTを敢えて成立させた根拠とは、”危険極まりない核兵器が全世界に拡散すれば、人類滅亡をも招きかねない大惨事になる”という説明であったはずです。ところが、考えてみますと、その危険極まりない兵器を、’横暴な大国’、並びに、’抜け駆け国家’のみが保有し、かつ、一旦、核保有国となれば、凡そ無制限に増強し得る現状こそ、誠実に国際法を順守している中小の非核保有国にとりましては’危険極まりない’と言わざるを得ません。悪名高き軍事独裁国家である北朝鮮でさえ核を保有しているのですから。それでは、NPT体制を変えることはできるのでしょうか。おそらく、NPT体制を変えるには凡そ三つの合法的な選択肢があるようです。
第1の選択肢は、締約国が同時に同条約から脱退するというものです。NPTの第10条は、締約国が脱退できる条件を記しており、「各締約国は、この条約の対象である事項に関連する異常な事態が自国の至高の利益を危うくしていると認める場合には、その主権を行使してこの条約から脱退する権利を有する」とあります。この条項からしますと、何れの締約国も、他国から核攻撃を受けるリスクを理由として同条約から脱退することは可能です。とくに、核保有国が保有する長距離弾道弾ミサイルの射程距離の範囲、並びに、SLBMによる攻撃範囲に含まれていれば、何れの国も同条約から抜けることができることとなります。
第2の選択肢は、NPTを改正するというものです。同条約の第8条には、条約の改正及び再検討について「いずれの締約国も、この条約の改正を提案することができる。改正案は、寄託国政府(アメリカ、ロシア、イギリス)に提出するものとし、寄託国政府は、これを全ての締約国に配布する。その後、締約国の三分の一以上の要請があったときは、寄託国政府は、その改正を審議するために、すべての締約国を招請して会議を開催する。」とあります。(つづく)
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