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2022-06-23 00:00
(連載2)9党党首論戦、どう見るか
岡本 裕明
海外事業経営者
今、金利をいじれないのは国民や中小企業への影響が大きいからと察しています。つまり、低金利をこれほど長期間維持したことで国民と企業に物価への耐性がなくなったというのが海外に住む私の見方です。日本は変わることをことごとく嫌うのです。税金をほとんど払っていない中小企業を温存するのはなぜだろう、日本はゾンビがそんなにお好きなのだろうか、と思うのです。その結果として、無理をしてきた日銀そのものが行き詰まってしまっている。
ですので変化を嫌う日本を代表する国政政党の党首討論がパッチワーク政策になるのは当然です。特に岸田氏は優しく寄り添うタイプですから逆立ちしてもブルドーザー型にはなりません。もちろん、突然全部を作り直すことはできないのはわかりますが、与党第一党の自民党総裁として、20、30年かけてでも日本を変えていけるように仕込みをしていく、その為に夢と希望と将来の日本の再構築の青写真を見せてほしかったのです。これぞ党首で語るべきビジョンではないでしょうか。
多くの政治家の最大の間違いは「財源はあるじゃないか」という点です。財源があればそれを使えばいいと言い続ければいつかはなくなります。では将来、大震災や戦争が起きてそれこそ復興資金が必要な時、どうしますか。国債は、現在は国内市場と日銀でほぼ消化されるのが恒常的になっていますが、超大規模の資金を要し、国内で引受しきれない時は海外で国債を売らねばならないのです。その備えはあるのでしょうか。財源は平常時は健全にそして積み上げる、そしてそれよりも国家の足腰を筋肉質にする、そうしないといけないのですが、この討論には骨がなかったというのが私の感想です。
日経に「消費者物価は4月に2.1%(生鮮食品除く)まで上昇した。日銀の見通しでは2023年度には再び1.1%まで低下する。政府もいまの物価上昇はロシアによるウクライナ侵攻に伴う特殊要因が大きいとみる」とあります。個人的にはいくら日本でも来年度に物価が1.1%まで落ちるとみるのはかなり楽観視だと思います。世界のエネルギー、資源、食糧に対する爆発的需要はこれから。中国のバク食い復活もあり得ますし、インドも今後は大消費国になるでしょう。とすれば輸入財の価格は必ず上がるのです。海外における物価は一度上がればさほど下がりません。物価が下がらないのは人件費が上がっているからであり、給与は簡単に下げられないので物価の下方への弾力性は少ないのです。とすれば日本はパッチワークなどをしている場合ではなく真剣に物価高に耐えられる経済構造を作ることこそが最大のテーマではないでしょうか。(おわり)
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