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2022-06-15 00:00
(連載1)国連人権高等弁務官のウイグル視察に思う
宇田川 敬介
作家・ジャーナリスト
人権問題は国際的な関心事である。人権問題でケチが付けばその国(政府)は国際的な信用を失うため、各国政府は「人権」で失点しないように非常に重要な問題と位置づけ、その問題に取り組んでいる姿を見せている。逆に反政府団体や与野党の攻防をしている非主流派の人々にとっては、「人権に違反している」という主張は主要な批判の切り口になる。そのため、最近の「人権問題」は、いつの間にか「政争の具」の印象が強いものになってしまっている。
しかし元来、人権とは普遍的な価値であり「政争の具」となるのは、よく考えると疑問である。「全ての人間が守るべきもの」であるのに、対立が起きるのは、矛盾する現象である。これは「人権というものに関しての考え方」の問題であろう。つまり「人権は個人の権利を無制限に聞き入れること」ではないのであり、「全体のバランスの中で、多くの人を平等にあつかう」ということが基本である。しかし、その塩梅を巡って対立が起きるのである。バランスをかくことなく、全体の平等を考えて、「できる範囲で保護する」ことが本来の人権の考え方であり、偏った捉え方でやたらと人権を振り回すのは大きな間違いであろう。そして、国内問題としてでさえそのような現状であるから、国際社会ではますます「人権」カードを国家的に使う価値が大きい。
さて、その「人権」を利用して自らの政府の主張をうまく遠そうとする国の一つが中国である。共産主義・全体主義の国々も人権を大事にしているという幻想を持っている人が日本人には少なくない。人権派で且つ社会主義・共産主義であるという人は、そもそも「人権を否定し全体を優先する」という本来の共産主義の定義をどのように解釈しているのであろうか。
中国の話に戻すが、矛盾に気づきながらも強引に押し切ろうとしているのが中国共産党だ。中国は人権に対して真摯であると自己弁護するが、実際には人権を無視しているということが数多くの資料や証言で明らかになっている。ウイグルやチベット、内モンゴルの話はもちろん、日本に伝わってきている被害者の人々の言葉が、全て真実であるとか脚色がないとは言わないが、しかし、一方でそれらが全てうそであるというように斬り捨てるには確実な証拠が揃いすぎている。では、中国のこの態度をどのように考えるのが筋なのであろうか。(つづく)
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