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2022-06-07 00:00
(連載1)ロシア国債デフォルトは朗報なのか
倉西 雅子
政治学者
6月2日の報道によりますと、全世界の大手金融機関で構成されているクレジット・デリバティブ決定委員会(CDDC)は、1日、ロシア国債のデフォルトを認定したそうです。日本国内のメディアやネットの論調は、対ロシア経済制裁の成果という評価なのですが、このニュース、果たして朗報なのでしょうか。
ロシア国債がデフォルトの認定を受けますと、以後、ロシアは、国際市場から資金を調達することができなくなります。このことは、ロシアが、近々、ウクライナにおける軍事行動を継続するための戦費が不足する可能性を意味しており、自由主義国による’兵糧攻め’の効果が表れてきた兆しとして評価されています。
このようにロシア敗北の兆候としてロシア国債のデフォルトをプラスに評価する見方がある一方で、手放しで喜べない側面もあります。その理由は、ロシア国債のデフォルトで損失を被るのは、発行国であるロシアのみではないからです。今後の国債発行、即ち、戦費調達の道が閉ざされたとしても、現下にあっては、ロシアは、むしろ国際の元本の償還や利払い義務から解放されます。結局、発行済みのロシア国債のデフォルトに起因する損失は、その保有者が負うこととなるのです。
正確なところはわからないのですが、欧米の金融機関によるこれまでの対ロ投資は相当額に上るとされています。リーマンショック時のサブプライムローンほどではないにせよ、ロシア国債が’紙屑’となることで、自由主義国の金融機関のバランスシートが傷む事態も予測されます。また、ウクライナ危機を機にロシア国債の金利は上昇傾向にありましたので、ハイリスク・ハイリターン商品として購入した新興国の金融機関も少なくなかったかもしれません。(つづく)
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